軽くて強いという優れた機械的性質を有するCFRP (炭素繊維強化樹脂) は、航空機や自動車の構造材料としての用途拡大が期待されている。CFRPは一体成型が可能で複雑な曲面を自由に成形できるのも長所であるが、成形後の部材を接合するためにはネジやリベットを通す穴あけのために切削加工が不可欠である。しかし、CFRPは異方性と異質性を内在する素材のため、従来の金属材料と同一の切削方法を適用すると種々の問題に直面する。
本講座では、CFRPの切削加工、とりわけ穴あけ加工に発生する諸欠損の発生メカニズムについて理解した後に、高精度穴あけ加工を達成するための実用的な技術と方法について具体的に解説する。
- CFRPの材料特性
- 熱硬化性CFRP
- 熱可塑性CFRP (CFRTP)
- CFRP部品の製造方法
- CFRP積層体断面の顕微鏡写真
- CFRPの被削性の特徴
- CFRPの穴あけ加工に発生する欠損
- CFRPのための切削工具と切削方法
- CFRP用切削工具の材質と種類
- ドリルによる超音波ねじり振動援用穴あけ加工
- エンドミルによるスパイラル穴あけ加工
- CFRP単体の穴あけ加工
- φ1mmの穴あけ加工
- φ3mmの穴あけ加工
- φ6mmの穴あけ加工
- CFRP/ Ti 合金重ね板の穴あけ加工
- CFRP/ Ti 合金重ね板のスパイラル穴あけ加工
- CFRP/ Ti 合金重ね板のドリル加工とスパイラル穴あけ加工の比較
- スパイラル穴あけ加工後のリーマ仕上げとミーリング仕上げの比較
- CFRP/ Ti 合金重ね板用のスパイラル穴あけ加工装置
- ハニカム材の穴あけ加工