「かわいい」という言葉は、私たちの日常生活にあふれています。しかし、「かわいい」とは何か、「かわいい」と何がいいのかについての実証研究は多くありません。このセミナーでは、私の研究室で7年間にわたり実施してきた「かわいい」の心理学・行動科学研究の成果をまとめてご紹介します。「かわいい」という語の歴史、かわいいと感じる対象のカテゴリー、かわいいものに接することが人間に与える影響について解説するとともに、「かわいい」と感じるための要件や、「かわいい」をモノづくりやサービスに活かす手順についてお話しします。
- 背景
- 「かわいい」は文化的・経済的な日本の顔
- 「かわいい」は一時の流行なのか?
- 「かわいい」に定義は必要か?
- 「かわいい」という語の意味
- 「かわいい」のイメージ
- 「かわいい」 vs. 「カワイイ」
- 「かわいい」に対する態度と男女差
- かわいさの原点: ベビースキーマ
- 幼さとかわいさの関係
- いろいろな「かわいい」とその共通点
- 「かわいい」の定義
- 感情としての「かわいい」
- 「かわいい」はモノの属性ではない
- 「かわいい」感情のモデル
- 「かわいい」と感じるメカニズム
- 「かわいい」感情がもたらす効果
- 個人内で生じる効果
- 社会的関係に及ぼす効果
- 「かわいい」感情の強さとパーソナリティ
- 「かわいい」の二層モデル
- 生物学的基盤
- 文化的要因
- 日本の「かわいい」は輸出できるか?
- 「かわいい」に導かれたモノづくり
- 中国経済産業局主催「カワいいモノ」研究会の紹介
- 誰をターゲットにするか?
- 「社会とのつながり」を意識する
- まとめ
- 「かわいい」研究のこれから