第1部
高分子材料および樹脂・ゴム部品の劣化因子解明と促進試験、寿命予測方法
(2011年3月22日 13:00~16:30)
樹脂成形品、複合材料、ゴム材料等の工業製品全般について、各種使用環境下における長期劣化機構を解説するとともに、促進試験方法や寿命予測について述べる。
- 実機使用材料や工業製品の劣化機構の調査、分析
- 長期間使用された各種材料
- 不具合、故障、トラブル等回収された工業製品
- 応力形態、環境種別毎の損傷分類
- フラクトグラフィー
- 劣化因子および劣化メカニズムの解明
- 温度、湿度、紫外線および薬品等の環境因子の影響
- 破壊形態を再現できる促進試験方法
- 促進試験方法と実使用品の検証
- 寿命予測
- 要求仕様の設定方法
- 促進試験方法の規格標準化等
- ガス用ポリエチレン管の事例
- 温水用架橋ポリエチレン管の事例
- シールゴム材料の事例
長もちの科学研究センターの活動
第2部
高分子材料劣化対策としてのコンパウンド設計と製品設計法
(2011年3月23日 10:00~12:30)
コンパウンド/加工/製品設計の製品ライフサイクル毎の劣化対策法を実例とともにお話します。産業の上流から下流までの総合的な対策方法を述べます。本報告が皆さまのお仕事のお役にたてば幸いです。
- 高分子の劣化概論
- 劣化対策
- 概論 (各種高分子に対する劣化対策)
ポリオレフィン系 (PE、PP) 、ABS、PC、バイオベース樹脂 (PLA,PA等) の劣化対策を
添加剤 (酸化防止剤や鎖長延長剤など) の観点から述べる。
- コンパウンド処方 (特に難燃配合について)
添加剤の配合量が一番大きいのは難燃剤であり、物性に大きな影響を与える。
その難燃剤配合について難燃剤の種類 (水酸化マグネシウム、リン系難燃剤、臭素系難燃剤) と
ポリマーの種類別 (PE,ABS,バイオベース樹脂) に劣化対策を述べる。
- 成形加工時の劣化対策
押出機や射出成型時の状態によっては、劣化が生じることが知られている。
ここでは、押出機のスクリュー形状や射出成型条件という観点から、
成形時における劣化対策を述べる。
- 製品トラブルとその対策設計法
劣化による製品トラブル事例 (筺体の着色、ワレ等) をご紹介しながら、
実際のコンパウンド上の対策方法と製品設計上の対策方法 (ボスワレであれば、ボスの設計方法) などを述べる。
- まとめ
本内容は、製品ライフサイクル毎の劣化対策法を実例とともに述べる。
第3部
高分子材料の変色メカニズム、変色再現試験法と変色対策
(2011年3月23日 13:15~15:45)
高分子材料の品質トラブルの一つに黄変、ピンキングなどの変色問題がある。本講座では、高分子材料の劣化機構と安定剤の劣化防止機構、変色の原因、メカニズム、再現試験法やその防止方法などを紹介する。
- 高分子材料の劣化
- 劣化因子と劣化現象
- 劣化機構
- 高分子材料の安定化
- 安定剤の種類
- 安定化機構
- 安定剤の配合設計
- 一般的な留意点
- 相乗作用と拮抗作用
- 高分子材料の変色トラブルと対策
- 変色原因
- 変色メカニズム
- 変色再現試験法
- 添加剤による変色防止法