近年、レンジファインダ等の3次元センサの急激な普及により、対象物や人物を3次元的に認識する技術が注目を集めている。なかでも、ポイントクラウドデータと呼ばれる3次元点群データをもとに、物体の位置や姿勢を認識したり識別するためのモデルベース手法のキーとなる3次元特徴量の発展はめざましく、海外を中心にさまざまな手法が提案され、実用化されてきている。
本講演では、3次元センサの基本的な原理の解説にはじまり、物体認識の基礎、3次元特徴量の基礎について平易に解説する。また、具体的な応用事例として、生産ラインにおけるロボットピッキングに関するいくつかの事例や、人物認識における3次元情報の利用例についても言及する。
各種事例や実際の計測データ例をまじえながら、エンジニアリングの観点から、実際に使える技術を念頭に、同分野の全体像を把握していただけるように内容を構成する。
- 3次元点群生成の基礎
- 3次元計測センサの概要
- パッシブ法の概要と主要技術
- アクティブ法の概要と主要技術
- 市販センサの比較
- 点群のデータ構造
- 3次元物体認識の基礎
- アピアランスベース物体認識
- モデルベース物体認識
- 高精度位置合わせICPアルゴリズム
- 3次元特徴量
- 3次元特徴量の基礎
- キーポイント周りの情報記述
- 複数点間の関係記述
- 代表的な3次元特徴量
- EGI
- SI
- SHOT
- PFH
- FPFH
- PPFなど
- ベクトルペア特徴量
- CCDoN特徴量
- 3次元特徴量における局所参照座標系 (Local Reference Frame)
- 固有ベクトル利用型LRF
- 法線ベクトル利用型LRF
- 高性能LRFの提案 (DPN)
- 特徴量とLRFの組み合わせ性能評価
- 物体認識に関する最新技術と応用例
- 可観測性を考慮した物体認識
- 3次元的な起伏が少ない物体への対応 (GRF)
- 点群密度変化への対応 (RPD特徴量)
- キーポイント検出の高速化
- 疑似3次元情報の利用 (Multi Flash Imaging)
- 3次元モデル検索
- 手持ち物体のモデリング
- 3Dコンピュータグラフィクスを利用した特徴点選択
- 物流分野ロボットピッキングへの挑戦
- 人物認識に関する最新技術と応用例
- 人物動線認識とロボット安全システム
- 作業動作の認識と自動記述
- 3Dモデルを利用した手指認識
- 日常生活における非定常行動認識
- その他のヒューマンセンシングに関する最新事例紹介