2日間開催セミナー 蓄熱材料開発の最前線

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本セミナーは、蓄熱材料開発の最前線に関するセミナーを2テーマセットにしたコースです。
セット受講で特別割引にてご受講いただけます。
通常受講料 : 81,000円(税込) → 割引受講料 76,950円(税込)
通常受講料 : 75,000円(税別) → 割引受講料 71,250円(税別)

日時

開催予定

プログラム

2015年10月14日「蓄熱技術の基礎と蓄熱システム開発動向」

大気の平気温度がこの1世紀にわたり、約0.7℃の上昇に留まっているのは、地球表面の約7割が熱容量の大きな海洋に占められていることが影響している。この意味では地球は大きな蓄熱槽と言えよう。熱エネルギーの貯蔵は、古くから生活の知恵として行われてきたが、工業や民生用として蓄熱技術が認識されたのは、そう昔のことではない。蓄熱は、超高温から極低温にわたる熱エネルギーの貯蔵技術で、その温度域や使用目的によって、様々な蓄熱材料や蓄熱方式がある。 我が国の蓄熱技術は、約半世紀前の石油危機時代における太陽熱利用や産業排熱等の効率的利用を目途として、様々な熱エネルギー貯蔵法の開発が積極的に行われてきた。最近の蓄熱技術開発の動向は、情報機器の普及による冷却熱需要や民生用温熱・冷熱需要の急増そして多様なエネルギー供給源のカスケード利用やコジェネレーションシステムなどの効率的活用や化石燃料利用による環境問題などを勘案した省エネルギーの立場から、蓄熱技術は環境親和型省エネルギー技術に位置づけられている。 本講座では、蓄熱技術の基礎及び蓄熱材料から具体的な蓄熱システムの導入事例そして採算性などを体系的に説明し、さらに今後の蓄熱技術開発の動向にも幅広く言及する。
  1. 蓄熱技術の位置づけ
    1. 環境親和型省エネルギー技術としての蓄熱技術
    2. 蓄熱技術に要求される機能
    3. 蓄熱材料として具備しなければならない特性
  2. 蓄熱材料の分類と蓄熱システム
    1. 蓄熱材料の種類と分類
    2. 顕熱・潜熱蓄熱材と蓄熱システムの具体例
    3. 化学蓄熱材等と蓄熱システムの具体例
    4. 自動車等輸送機器の蓄熱システムの具体例
  3. 熱エネルギー輸送技術と機能性熱流体
    1. 機能性熱流体の分類と特徴
    2. 流動抵抗低減剤について
    3. 潜熱スラリーの種類と特徴
    4. 氷スラリーの特徴とシステムの具体例
    5. オフラインによる熱エネルギー輸送技術
  4. 蓄熱システムの運用とその方向性
    1. 蓄熱システムの展開
    2. 蓄熱システムのコストと経済性
    3. 蓄熱技術開発の計画フロー
    4. 先駆的蓄熱技術の新展開

2015年10月15日「化学蓄熱/潜熱蓄熱材料の最新研究開発動向と今後の展望」

第1部 化学蓄熱技術の現状と高性能化学蓄熱材の開発

(2015年10月15日 10:30〜11:50)

蓄熱技術の将来展望を解説する。とくに次世代技術と期待される化学蓄熱の現状を基礎及び開発事例から解説する。エンジン等から排出される200~400℃域の中温熱の回収・有効利用向けの、中温排熱利活用ための化学蓄熱が注目されている。これに対応が可能な酸化マグネシウム/水系化学蓄熱技術を中心にその原理、応用事例を示す。さらに、新たな材料開発事例など化学蓄熱関連の発展可能性を解説する。
  1. 蓄熱概論
    1. 省エネルギーと熱利用の必要性
    2. 蓄熱技術の社会貢献性
  2. 化学蓄熱の基礎
    1. 化学蓄熱の基礎
    2. 化学蓄熱導入のための技術ポイント
    3. 化学蓄熱の分類
  3. 酸化マグネシウム/水系化学蓄熱の開発
    1. 化学蓄熱装置構成
    2. 化学蓄熱装置の原理と応用
    3. 化学蓄熱装置の研究開発事例
    4. 化学蓄熱装置の実用化
  4. 化学蓄熱の高性能化学蓄熱材の開発
    1. 新しい化学蓄熱材料の検索
    2. 新しい化学蓄熱材料の開発事例
  5. まとめ:開発の要点、将来展望

第2部 高温用潜熱蓄熱材料の最新開発動向

(2015年10月15日 12:00〜13:20)

古くて新しい技術、潜熱蓄熱法がエネルギー有効利用のために注目され、進化を遂げている。エクセルギーの概念に基づくと、高温ほど仕事をする高いポテンシャルを有しているが、これまでの相変化物質 (PCM) は100℃以下であり、より高温のPCMを開発するためには、耐腐食性、高熱伝導性を有するPCMを開発する必要がある。 そこで本講演では、最新開発動向として、1) 合金を使った高温用PCMマイクロカプセル化技術、2) 太陽熱利用への可能性、3) 製鉄所から化学プラントへの熱輸送コンテナ構想を紹介する。
  1. 高温用PCMマイクロカプセル化 (MEPCM) 技術
    1. 諸言
      (MEPCMの利点、高温用PCMの問題点、MEPCMの先端的概念)
    2. 実験
      (合金材料、手順、評価法)
    3. 結果および考察
      (モルフォロジーと熱物性、カプセル化のメカニズム)
    4. 結言
      (まとめとMEPCMの期待される将来技術)
  2. 太陽熱利用への可能性
    1. 諸言
      (潜熱蓄熱 (LHS) とは、熱交換器の種類)
    2. 高温用LHSの最近の進展
      (レビュー、糖類とその応用 (潜熱輸送) 、溶融塩とその応用 (集熱型太陽発電) )
    3. エクセルギーの観点からの潜熱蓄熱の将来
      (未来型LHSのための高品質PCM開発、エクセルギー再生のための先端的PCMの設計、期待されるLHSの挑戦)
  3. 製鉄所から化学プラントへの熱輸送コンテナ構想の可能性
    1. 諸言
      (製鉄業の排熱状況、LHSの原理)
    2. 排熱輸送の概念とその利点
    3. 実験
      (排熱輸送のためのPCM (熱物性と化学的安定性) とコンテナ)
    4. 結果および考察
      (融点と潜熱量、コスト、DSC、潜熱量の経時変化、システム解析 (投入エネルギー、エクセルギー損失、CO2排出量)

第3部 TBAB水和物スラリの特性と蓄熱システムへの展開

(2015年10月15日 14:20〜15:40)

冷房空調に最適な相変化温度を持つ蓄熱材の一つとして、TBAB水和物が注目されている。TBAB水和物は、生成条件によっては、微細な水和物結晶とTBAB水溶液の混合状態であるスラリーを形成し、スラリーとなることで、高い搬送性と熱交換性能を有することとなる。本セミナーでは、TBAB水和物の特性の他、水和物スラリーの流動、熱伝達特性などについて概説する。
  1. 水和物系蓄熱材の特徴
  2. TBABの特徴
  3. TBAB水和物の特徴
    1. TBAB水和物の相図
    2. TBAB水和物スラリー
  4. TBAB水和物の熱物性
    1. TBAB水和物の融解潜熱
    2. TBAB水和物のその他の物性値
  5. TBAB水和物スラリーの流動特性
    1. TBAB水和物スラリーの流動性
    2. 非ニュートン性による特性把握
  6. TBAB水和物スラリーの熱伝達特性
    1. TBAB水和物スラリーの伝熱性能
    2. 層流・乱流における伝熱予測
  7. まとめ

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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