食品中の異物が話題になっているが、異物は医薬品、塗膜、プラスチック成品、半導体、電子基板などいろいろな製品中で発生する。異物発生の対策を行うには、まず異物の構造を知ることが必要であり、それが混入経路の推定に役立つだけでなく異物混入防止の重要なポイントとなる。 異物分析は微小物の分析に限ったわけではないが、最近の異物は微小化の傾向にありほとんどが顕微分析で行われる。言い換えれば、現在の顕微分析はサンプリング技術と微小・微量分析の統合技術であるともいえる。異物の構造同定には頻繁にFT – IR、ラマン分光法が使用されることが多い。より良いスペクトル測定には、両分光法の特徴を把握すると同時に、試料サンプリングが重要な要素となる。 最近、いろいろなサンプリングツールが利用できるようになってきたので、それらをいかに利用するかを実際に見ていただくことでサンプリング重要さへの理解を深めていただきたい。