2011年4月25日「キャッピング・スティッキング評価法・改善法とスケールアップの効率的な進め方」
医薬品の製造において、有効性、安全性を満足し、十分な品質、工程管理のもとに経済性を考慮して工場生産へ移行させるスケールアップの製剤技術は重要である。
そこで、本講座では、はじめに錠剤製造の基礎技術としての原薬の圧縮メカニズムと原薬圧縮性の評価法、また、キャッピングおよびスティッキングの評価法とその改善法について説明する。
スケールアップでは、その効率的な進め方について解説する。
- 原薬 (粉体) の圧縮のメカニズム
- 走査型電子顕微鏡でみる粉体の圧縮
- 原薬 (粉体) の圧縮性の評価
- 粉体の流動性の評価法
- 錠剤の含有水分と成型性
- 打錠機の金型 (杵) の管理方法と寿命
- キャッピングの機構および評価法とその改善方法
- スティッキングの機構および評価法とその改善方法
- 滑沢剤の効果 (滑沢剤の評価法)
- 滑沢剤の混合時間と展延状態
- 外部滑沢打錠法と内部滑沢法との比較
- 錠剤の品質評価
- 製造工程と品質特性およびその変動因子の特定
- 各工程で使用する製造機の機種の選定
- スケールアップ (大型機) の検討
- 小型機に対応した大型機を用いた検討
- 小型機での操作条件を大型機に適応する場合
- 混合工程:V型混合機ではフルード数を一定とする。
- 造粒工程:攪拌造粒では攪拌力または、フルード数を用いてスケールアップする。
- 打錠工程
- 各工程の粉体挙動からみたスケールアップの考え方
- 混合工程
- 造粒工程:流動層造粒における造粒物粒子径のリアルタイム測定
- 乾燥工程:乾燥過程と乾燥速度曲線
- 混合工程 (打錠前) :滑沢剤の粉粒体表面での展延状態
- 打錠工程
- 各工程でのスケールアップにおいて発生するトラブル解決法
- 粉砕工程
- 混合工程 : 密度差がある粉体の混合および微量混合の留意点
- 造粒工程 : 流動層造粒における含量均一性の確保
- 混合工程 (打錠前)
- 打錠工程
- コーティング工程
- 質疑応答・名刺交換
2011年5月23日「外観不良を低減するポイントと外観検査 (目視・検査機) の進め方」
医薬品の品質上の問題で回収される原因としては、異物が多く、異物としては、虫、毛髪などがある。製剤の外観検査は、不良品を市場に流出することを防ぐことを目的に実施される。
本講座では、毛髪の混入防止および防虫対策、錠剤の工程別、異物混入の原因とその改善策、さらには、異物の同定と混入経路の解明にも触れたい。
異物に関する薬事法、日本薬局方について解説し、外観検査の進め方と目視による外観検査および検査機での外観検査、それぞれの問題点と解決法について、説明する。
さらに、検査結果の評価法と結果のフィードバックについても説明する。
- 国内の苦情事例
- 医薬品回収の原因
- 錠剤の異物汚染特性要因図
- 毛髪の混入防止管理
- 持込防止対策
(服装条件や毛髪除去作業手順など網羅した入退室基準を定める)
- 防虫対策
- 昆虫相調査
(捕獲された昆虫を同定し、虫の分布状態、発生場所、発生原因、侵入箇所などを推定)
- 侵入経路別グループと防虫対策等
- 錠剤の外観不良
- 錠剤製造における異物混入の原因
(原料~コーティング、錠剤印刷まで工程別)
- 錠剤製造における異物混入の改善策
(原料~コーティング、錠剤印刷まで工程別)
- キャッピング、スティッキングなど打錠障害の原因とその改善策
- 異物の同定と混入経路の解明
- 外観検査とは
- 異物に関する薬事法
- 異物に関する日本薬局方
- 錠剤の異物について (日本薬局方には?)
- 錠剤の製造プロセスと検査工程
- 不良錠の種類と発生原因
- 目視の問題点
- 外観検査機の問題点
- 外観検査
- 検査段階の設定
- 原料資材の受け入れ
- 製剤の選別 (検査) 工程
- 最終製品検査
- 検査項目の選定と製剤の欠点分類
- 外観検査基準の設定:
限度見本 (合格限度の基準) の作成
- 検査員の教育訓練と認定
- 検査結果の評価
- 検査結果のフィードバック
- 品質管理手法の推移
- 製品試験
- バリデーション
- PAT
- デザインスペース
- PATの最近の動向と具体的な実施例
- 日米EU医薬品規制調和国際会議 (ICH) の医薬品品質に関するガイドラインの1つ、
製剤開発に関するガイドライン (Q8) :デザインスペース
- 最近の外観検査技術
- 質疑応答・名刺交換