2014年6月に公布された「労働安全衛生法の一部を改正する法律」 (以下、改正安衛法) の中の「化学物質に関するリスクアセスメントの実施の義務化」の施行が2016年6月までと迫っている。改正で義務化されるのは、事業者が扱う化学物質の使用によって、労働者の健康被害が生じる可能性を検討する (健康リスクアセスメント) 部分である。事業者は、その結果に基づいて、労働安全衛生法令上の措置を講じる必要が生じることとなる。
本講演では、改正安衛法の作業者のリスクアセスメントの義務化に対応し、基礎的なリスクアセスメント手法について受講者がマスターできるよう解説する。
第1部 リスクアセスメントの基礎
- リスクアセスメントとは
- 化学物質のリスク
- 化学物質によるリスクの種類
- 化学物質のリスクアセスメントの概念
- 労働者のためのリスクアセスメント
- リスクアセスメントの考え方 (定性的手法)
- コントロール・バンディング
- リスクアセスメントの考え方 (定量的手法)
- リスク判定比 (RCR)
- アセスメント係数
- ばく露マージン
- 改正労働安全衛生法 (化学物質について)
- 改正労働安全衛生法 (化学物質について)
- リスクアセスメント実施義務化の背景
- 義務の対象
- 労働安全衛生法における化学物質管理
- 労働者の安全衛生に関する主な法律
第2部 改正安衛法に関するリスクアセスメント
- 改正安衛法に関するリスクアセスメントの手順の例
- SDSの利用
- リスクアセスメント方法の手順の例
- 有害性評価例
- ばく露評価例
- リスクアセスメント例
- リスクアセスメント実施支援システムの操作手順
- 厚生労働省による「職場のあんぜんサイト」
- SDS情報の取得
- 作業内容と製品の状態
- 化学物質名の入力
- 有害性ランク
- 揮発性/飛散性ランク
- 取扱量ランク
- リスクレベル
- 結果に基づく対策シートの出力
- 結果の保存