2日目 (Bコース) 失敗例/解決編
第1部 プロセス化学のスケールアップ (ラボ~パイロットプラント) とラボ検討で取得しておくべきデータ
~失敗例からの解説~
(2015年9月18日 10:30〜13:00)
ラボ実験とプラント製造との違いは何か、プラントでは何が出来て何が出来ないのかに着目しながら、ラボ検討で取得しておくべきデータとその活用について概説する。反応危険性評価とプロセスレビューシステムの重要性についても概説する。プロセスが理解できていれば、スケールアップの失敗リスクは激減する。演者が経験した失敗例も紹介しながら解説する。
- スケールアップ検討に入る前に
- 医薬品開発におけるプロセス化学
- 製剤研究との連携
- 理想的なプロセスとプロセス研究のステップ
- DNA反応性不純物ガイドライン
- ラボとプラントの違い
- ラボでのデータ取りとその活用
- チェックするべき項目
- サンプリングシートとその活用
- 安定性データ、ストレステスト
- ユーステスト、模擬実験
- 反応危険性評価
- プラントへ移る前に
- 攪拌の課題、ろ過の課題
- プラント機器の材質
- ダミーラン
- コミュニケーション、レビューシステム
2日目 (Bコース) 失敗例/解決編
第2部 スケールアップ・ダウン検討と失敗例/解決 (対処) 法
(2015年9月18日 13:50〜16:20)
スケールアップ検討の最終目的は商用生産にある。経験的に商用生産に結び付けたプロジェクトは多数あるが、スムーズに進んだことは殆どなく、失敗した経験がその後の商用生産に役立つケースが多い。しかし、スケールアップで失敗すれば時間、原料費等損失は大きい。実際に経験した失敗をどのように解決して商用生産に結び付け、その後の検討に生かしたか実例をもとに説明する。
- スケールアップとは
- 考え方
- チェック項目
- 実験の進め方
- 実例
- 設備が腐食してしまった (小スケール実験では想定不可)
- ジャケットの保温効果 (想像以上に保温効果が良く、オーバー反応)
- 加水分解後の濃縮 (濃縮中に反応が進行)
- 原料のグレード変更:低純度品 (98%) を高純度品 (99.5%↑) に変更したところ規格外の製品が得られた
- 再結晶 (スケールアップしたら全く違った品質の中間体が得られた)
- 水和物→無水和物の変換 (乾燥機の選択を誤って失敗)
- 危険な試薬を使用しなくてはならない (20Lスケール以上は危険性で実施不可)
- 先入観を持って検討を開始したため検討に時間を要した
- スケールアップを計画したら目的純度の原料が入手できない
- 転位反応が原因でスケールアップしたら目的物が得られなくなった