原子層堆積法は、ナノの酸化物薄膜を複雑形状にもコンフォーマルで形成できることから、LSI製造に利用されています。近年では、LSIのみならず、MEMS、太陽電池、機械部品、PETボトルへのコーティングにも活用が検討されています。原子層堆積での高品質膜の達成のため、表面反応を中心とした反応機構の理解と、モニタリング、そして適切な材料選択、プロセス調整の知識が欠かせません。 山形大学ではこれまで原子層堆積法のその場観察と低温化研究を進めてまいりましたが、我々の研究成果を題材に、原子層堆積法の特に表面反応を中心とした機構理解の達成を目標とします。さらに最新研究成果として3D-CoolALD (室温三次元成膜ALD) による各種酸化物膜の室温形成技術について解説いたします。