第1部 フィラー分散型ストレッチャブル配線の疲労メカニズムと実装技術
(2015年10月22日 10:30〜12:00)
最近、エラストマバインダ中に金属フィラーを分散させた導電性ペーストを用いた印刷工法によりストレッチャブル電子回路を形成する技術を、ウェアラブルデバイス実装に応用するための研究が活発化してきた。ストレッチャブル印刷配線の特性評価法については未だ規格が存在しておらず、「○○%ひずみを加えた場合でも導電性が維持された (あるいは、電気抵抗率が○○cmであった) 」などという曖昧な表現が横行しているのが実情で、実用上の問題が山積している。
本講座では、ストレッチャブル印刷配線を学術的に考察するためのひとつの考え方を提示し、材料開発指針や信頼性評価手法の確立に向けた研究について紹介する。
- ストレッチャブル配線の印刷技術
- 機械的変形に伴うストレッチャブル印刷配線の電気伝導特性変化
- ひずみの影響
- 時間依存性
- ストレッチャブル印刷配線の特性解析のための基礎 ~エラストマ (ゴム) の材料科学~
- 粘弾性
- フィラーネットワークの実態
- ペイン効果とマリンス効果
- ゴムの疲労
- ストレッチャブル印刷配線の疲労挙動解析
- 疲労劣化状態を判断するための指標
- 繰返疲労
- 応力緩和試験
- 電気伝導特性の回復現象
- ストレッチャブル印刷配線の疲労耐性を向上させるための材料設計
第2部 銀ナノワイヤを用いたストレッチャブル配線材料と実装技術
(2015年10月22日 12:50〜14:20)
ウェアラブルエレクトロクスにむけて、柔らかい電子材料の開発が進められている。その結果、配線材料には、曲げ耐久性だけでなく電子デバイス全体のひずみを負担するための伸長性が必要である。銀ナノワイヤ配線は、伸縮性だけでなく透明性を兼ね備えることが可能であり、ディスプレイや太陽電池、意匠性に優れたウェアラブル配線などへの適用が期待される。今回、開発したストレッチャブル材料のおよびその材料形成技術を述べる。
- ストレッチャブル配線
- 材料の開発動向
- Roll to Roll印刷プロセスへ向けた開発動向
- 配線の超ストレッチャブル化
- ストレッチャブル配線の作製方法と評価法
- エラストマー種やフィラー種の影響
- 銀ナノワイヤ
- 銀ナノワイヤのロング化
- 高特性な透明導電膜
- 室温形成可能な配線
- ストレッチャブル配線
- レーザーによる非接触印刷
- 技術紹介
- 銀ナノワイヤ透明導電膜とストレッチャブル配線の形成
- 印刷中の飛翔体
第3部 ストレッチャブルペーストの開発と応用展望
(2015年10月22日 14:30〜15:15)
プリンテッドエレクトロニクスにおいて、インクは、基板や印刷技術と同様に重要な要素である。
フレキシブルな基板を用いるのであれば、インクやペースト材料にも柔軟性、伸縮性を付与する必要がある。ストレッチャブル導電性ペーストは、曲げた時、伸ばした時でも、断線しにくく、抵抗率の変化が小さい印刷配線を提供できる。
- 導電ペーストとは
- 伸縮性導電材料と配線技術
- ストレッチャブル導電ペースト
- ストレッチャブル導電ペーストの応用
第4部 導電性繊維を用いた伸縮性配線材料
(2015年10月22日 15:25〜16:25)
近年、人体に装着可能なウェアラブルデバイスが注目を集めており、特に医療やヘルスケア分野においてこれらを活用することが期待されている。例えば、長期の心拍モニタリングや体の動きのセンシング等を行うことにより日常の体調管理に用いることなどが検討されている。ウェアラブルデバイスは、人体表面などの曲面に装着して用いるため、高い伸縮性が必要になると共に、繰り返しの伸縮・屈曲に対応できる耐久性を持つことが必要である。本講演では、伸縮性エレクトロニクスの周辺状況を説明するとともに、新規の高伸縮導電性配線およびそれらを用いたデバイスについて解説する。
- 伸縮性エレクトロニクスの現状と見通し
- 伸縮性エレクトロニクスの意義
- 伸縮性エレクトロニクスの市場見通し
- 伸縮性エレクトロニクスとハイブリットエレクトロニクス
- 現行の伸縮性導体
- アプリケーションと伸縮性
- 伸縮性導体のベンチマーク
- ペースト状伸縮性導電材料
- 波状伸縮配線
- 産総研で開発した高伸縮性導体とそれを用いたデバイス応用
- 導電性撚糸を用いたバネ状伸縮性配線
- 折り畳み可能な配線
- リジッドデバイス・フレキシブルデバイスとの接合技術
- 短繊維配向型伸縮性電極
- シート状圧力センサー
- RFIDを利用した伸縮センサー
- まとめ
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