膜による気体分離は1980年の水素分離膜の実用化以来、非多孔質の有機高分子膜が主に用いられてきたが、近年は高選択かつ高透過性の気体分離膜を得るための新しい膜材料の設計指針の探索により、オングストロームサイズの細孔による分子ふるい能を膜に導入した、ゾル–ゲル法やCVD法によるシリカ膜、水熱合成法によるゼオライト膜、高分子前駆体を熱処理した炭素膜などの多孔質無機膜の研究開発が活発化している。ここでは、非多孔質/多孔質膜による膜分離の原理と高分子膜と無機膜 (シリカ膜、炭素膜やゼオライト膜など) の研究開発の現状と展望について解説する。
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