圧力容器・設備の強度設計と損傷評価技術

機器の強度設計に対する基礎知識、損傷 (割れや減肉欠陥) のトラブル原因究明と対策および損傷の安全性評価を行うに必要な知識を関連付けて習得します。これらに従事する技術者には、対象とする損傷が力学的要因や冶金的要因など種々の要因が複雑に関連し合っているために、複眼的な視点を持った知識が必要とされます。 　本講座は、材料強度や強度設計での考え方や破壊力学に基づく最新の損傷評価法について基礎から学ぶための講座です。

1. 圧力容器の種類と各種プラントでの代表的な圧力設備と考えられる損傷
2. 設計基準と法規・規格での安全裕度
   1. 我が国における強制法令
   2. JIS規格 (任意規格) および民間規格
      • KHKS 0220概要
   3. 国外ボイラ及び圧力容器規格
   4. 供用適性規格 (維持規格)
      • KHK/PAJ/JPCA S0851概要
3. 構成材料の基礎
   1. 鉄鋼材料と熱処理
   2. 強度およびじん性に及ぼすミクロ組織の影響
4. 材料力学の基礎
   1. 応力とひずみ/はりのたわみ
   2. 引張り試験 (弾性変形、降伏)
   3. 熱応力、ねじり応力、曲げ応力 (弾性断面係数、塑性断面係数)
   4. 内圧を受ける円筒での応力
   5. 応力集中、欠陥の干渉
5. 強度設計の基礎
   1. 降伏条件 (単軸および多軸)
   2. 硬さ試験
   3. じん性試験
   4. 延性破壊と塑性崩壊条件 (参照応力に基づく評価)
   5. 疲労破壊
   6. クリープ破壊
6. 破損モードと破損事例
   1. 腐食機構
   2. 応力腐食割れ
   3. 材質脆化 (粒内および粒界で生じる脆化)
   4. 水素脆化 (設計で考慮すべき冶金的特性および機械的特性) 水素貯蔵容器・配管設計での考え方
7. 供用適性評価の基礎
   1. 破壊力学
   2. 減肉評価 (必要肉厚を割った減肉を評価する考え方)
      • API579/ASME FFS-1, WES2820, 茨城県維持規格 (p-M法) , 応力集中箇所近傍にある減肉に対する評価法の概要
   3. 割れ評価
      • HPI Z101-1&2 (FAD法) の概要
• 質疑応答・名刺交換