第1部 ポリマーアロイの概要および 相容化剤の種類、選び方、使い方
(2015年10月19日 13:00~15:00)
現在、ポリマー材料・複合材料の大半は、各種のポリマーを組み合わせたポリマーアロイとして提供されており、材料の改良や高機能化、あるいは新規高分子材料の開発においても、ポリマーアロイの形成過程に関する知識がますます重要になっている。また、現実の材料工業化において、適切な相容化剤の活用が開発の促進につながっている事例も多い。本講では、ポリマーアロイ形成の基礎的な考え方から、現実のポリマーアロイ材料の設計の場面で、活用できる相容化剤の選定方法まで順序立てて解説する。
- ポリマーアロイの基礎
- ポリマーアロイとは
- 相溶性と相容性
- ポリマーアロイのモルフォロジー
- 工業化されたポリマーアロイの歴史と相容化剤
- リアクティブプロセッシングと「第三世代ポリマーアロイ」
- リアクティブプロセッシングとは
- モルフォロジー形成のプロセス解析
- リアクティブプロセシングにおける反応性相容化剤の役割
- モルフォロジー制御による物性設計
- 相容化剤の選定と 「第四世代ポリマーアロイ」の設計
- 相容化剤/相溶化剤の種類と選定の考え方
- 高せん断押し出しとナノサイズ分散での相容化剤
- ナノモルフォロジーの解析技術
- 「ボトムアップ戦略」によるナノポリマーアロイの設計と相容化剤
- 植物由来樹脂の利用と相容化剤
第2部 ポリマーアロイ用相溶化剤と特徴とその応用
(2015年10月20日 15:15〜16:30)
異なる組成の固体 (各種ポリマー、木質粒子、無機粒子) をできるだけ均質に混合するには、相溶性とともに、界面での相互作用を積極的に活用することが必要である。 ここではポリオレフィンをベースにしたポリマー改質剤を紹介する。ガラス繊維やナノセルロースのカップリング剤として、ポリプロピレンなどとの結合を強化できる。またエポキシ樹脂とカーボン繊維への含浸性を向上させるプロセス添加剤についてもふれる。
- ポリオレフィン骨格のポリマー改質剤
- 骨格と変性構造
- グラフト化と特徴
- コンパウンドでの効果
- メカニズムと実験例
- 液状樹脂用プロセス添加剤の構造と機能
第3部 テルペン樹脂系の相溶化剤について
(2015年10月20日 10:30~11:45)
- テルペン系樹脂について
- 主な使用用途及び目的
- ポリマーの改質
- 塗装性や接着力の向上
- 相溶化剤としての利用
- エラストマーとの相溶性
- ポリマーとの相溶性
- 相溶性の評価
- テルペン系樹脂の取扱い、保存管理上の注意点
第4部 酸変性低分子量ポリオレフィンの使用例について
(2015年10月20日 12:30〜13:45)
酸変性低分子量ポリオレフィン「ユーメックス」は、低粘度、高酸変性が特長であり、そのユニークな樹脂改質剤例 (相溶化剤、フィラー分散剤等) を中心に紹介する。
- 酸変性低分子量ポリオレフィンの構造と特性
- 酸変性低分子量ポリオレフィンの用途例について
- 樹脂用分散剤 (相溶化剤) として
- フィラー、木粉分散剤として
- 成形加工性 (流動性) 向上剤として
- 密着性向上剤として
- 軟化点向上剤として
- 最近のトピックス
第5部 ポリマーアロイおよび、フィラー含有ポリマーの 電子顕微鏡を中心とした解析
(2015年10月20日 14:00〜15:15)
ポリマーアロイの相分離構造やフィラーを含んだポリマーのフィラー分散状態を、透過型電子顕微鏡を用いて解析する方法を、様々な試料作製方法の適用例や画像処理方法などを含めて、紹介します。
- 透過型電子顕微鏡
- TEMとSTEM-EDXの原理
- 試料作製方法について
- 電子染色法の適用
- 電子染色法とは
- ポリマーの官能基と有効な染色剤
- 各種ポリマー材料の適用例
- 観察例1 PP/PA
- 観察例2 PA/PB/PPO
- 観察例3 PE/PPの界面
- 観察例4 PLAアロイ
- 観察例5 ポリウレタン (AFMの位相像との相関について)
- 観察例6 トナー
- 観察例7 ゴム/セルロースナノファイバー
- 観察例8 自動車用タイヤ 3-9 Ultra Sonicナイフの適用例
- 超薄切片法とFIBの比較
- 無機粒子含有ABS樹脂
- サングラスプラスチックレンズ
- トナー印刷紙
- 超薄切片法とFIBの長所、短所