第1部 新時代における蛍光体の用途
(2015年10月9日 10:00〜11:10)
テレビをはじめとするディスプレイの大半が液晶ディスプレイとなった現在、蛍光体分野の衰退が心配されたが、2014年の日本人3人のノーベル物理学賞の受賞に代表されるように、白色LED用蛍光体という新たな用途の需要により蛍光体は復活した。 一方ディスプレイ分野においても、無機蛍光体に限定しなければ新たな動きは少なからずある。特に、2030念の東京オリンピックに照準を合わせた8K即ちスーパーハイビジョン、フレキシブルディスプレイ、量子ドット蛍光体の開発とディスプレイへの応用など話題に事欠かない。 白色LEDにおいても今後演色性の向上、外部量子効率に改善等まだまだ課題はたくさんある。
本項では、これらの話題に言及するために必要な、ルミネッセンスの基礎、励起機構、蛍光体の合成方法について解説し、その後、蛍光体、ディスプレイおよび白色LEDの今後について紹介する。
- ルミネッセンスの基礎
- 発光機構
- 母体材料
- 発光中心材料
- 量子ドット
- 用途に応じた励起機構
- 発光型ディスプレイ
- 白色LED
- 液晶バックライト
- 量子ドットディスプレイ
- 蛍光体の製造方法
- 液相合成
- 固相合成
- 気相合成
- 薄膜形成
- 今後の動向
- 蛍光体開発の新しいアプローチ
- 今後のディスプレイ
- 8K
- フレキシブルディスプレイ
- ウェアラブルディスプレイ
- 蛍光体の屋外での利用
- 白色LED
第2部 実用蛍光体材料への要求特性 ~劣化抑制はなぜ難しいのか~
(2015年10月9日 11:20〜12:30)
蛍光増白剤から量子ドットまで、古今の有機系・無機系の蛍光体材料を紹介し、それらの発光機構を概説するとともに用途毎の要求特性について述べる。
- 蛍光体材料
- 有機蛍光体
- 蛍光増白剤
- Caプローブ
- 蛍光顔料
- その他蛍光色素
- 無機蛍光体
- LED
- シンチレータ
- 量子ドット
- 発光機構と劣化因子
- 蛍光とりん光
- さまざまなルミネッセンス
- 光酸化
- 堅牢性
- あたらしい開発提案
- 可視化剤
第3部 蛍光体の熱消光・劣化機構と対策
(2015年10月9日 13:10〜14:20)
- 蛍光体研究における基礎的な知識
- 蛍光体に要求される特性
- 現行蛍光体の現状と問題点
- 結晶構造解析
- 結晶構造と光学特性の関わり
- 蛍光体の合成と熱特性の評価
- 合成法による発光特性の違い
- 蛍光体の評価法-結晶構造解析と分光法
- 熱特性と結晶構造の関係-どのようにすれば熱特性が良くなるか
- 各種蛍光体の劣化機構とその対策について
- シリケート系およびアルミン酸塩蛍光体の長期劣化機構は加水分解
- 大多数の窒化物蛍光体は劣化に弱い
- βサイアロンにささやかれる劣化問題とは本当か?
- 青色蛍光体BaMgAl10O17:Eu (BAM) の劣化機構
- 劣化に強い (Sr,Ca) MgSi2O6:Eu (CMS) 蛍光体
- 従来の蛍光体劣化問題とLED用蛍光体の劣化問題の違い
- 劣化防止の対策技術のトレンド
第4部 蛍光体における新しい評価測定システム
~環境変化時の特性と蛍光強度の温度変化を測定・評価する~
(2015年10月9日 14:30〜15:30)
蛍光体材料は、量子収率測定、発光色・演色性評価、厳しい環境下における蛍光特性評価など、多岐に渡ります。本講演では、今まで多くのお客様から頂いたご要望に基づいて構築した様々なLED評価方法をご紹介します。
- 量子収率評価の最先端
- “相対“から“絶対“へ
- より正確な量子収率評価方法
- 最先端の測定事例
- 量子収率評価の今後
- 高温環境下における蛍光特性評価
- 発光色・演色性の評価
- 蛍光体単独の色評価
- 高温環境下での蛍光特性評価
- 環境変化試験の今後
第5部 (蛍光体を含めた) LED部材の故障と特性劣化,その測定
(2015年10月9日 15:40〜16:50)
- LED部材で想定される故障とその特性劣化について
- 部材と劣化要因
- 蛍光体、PN接合 (バルク、表面) 、封止樹脂、ダイアタッチ部ケース接着部 等
- 結晶欠陥、接合破壊・剥離、チップ割れ、クラック等 モールディング不良、温湿度変化による劣化 等
- 光量低下
- 熱抵抗増大
- リーク電流増大
- 波長特性不良
- 色度変化、表面劣化のメカニズム
- 測定法
- 静電気による劣化測定・耐静電気測定
- サイリスター特性測定
- 熱抵抗測定のまとめ
- エージング信頼性試験
- その他