乳化重合・懸濁重合法は、~nmから~μmの広範囲にわたる、さまざまな機能性を持つ高分子微粒子を合成することができる。ひとくちに乳化重合といっても、その範疇にはいくつかの重合法が含まれていて、それぞれの製法によって異なる微粒子が生まれる。在来の汎用製品製造技術からさらに飛躍して、これからの社会の変貌にこたえるには、「微粒子をつくる」原点に戻って、あらたな市場に高度化した高分子微粒子を供給する必要がある。奔放な発想の支えとなる、基礎事項、情報を提供したい。
- 序論:高分子微粒子
- 乳化重合による高分子微粒子の合成
- 古典的な乳化重合反応機構 (Harkinsの理論)
- マイクロエマルション重合
- ミニエマルション重合
- 逆相乳化重合
- 水相核発生説
- ソープレス乳化重合
- 非水系分散重合
- 沈殿重合
- 反応速度論の基礎
- 乳化重合反応の挙動
- 重合体粒子1個あたりのラジカル数
- 重合体粒子内のモノマー濃度[Mp]
- ポリマーの平均重合度
- 重合体粒子数 N の予測
- 懸濁重合法による高分子微粒子の合成
- 懸濁重合の反応挙動
- ポリマーの平均重合度
- 液滴分散系の工学
- 液滴径をそろえる
- 独自のデバイスを用いる単分散液滴の調製
- 高分子微粒子の合成と応用
- 高分子微粒子に付与できる機能
- 高分子微粒子の複合化
- 多様な粒子モルフォロジー
- 複合化粒子のモルフォロジーの実例
- モルフォロジーを支配する要因
- 高分子微粒子への官能基の導入
- 有機・無機複合粒子
- 多孔質粒子の合成法
- 中空粒子の合成法
- まとめ