ゾル-ゲル法は金属アルコキシドのような有機化合物を原料として、比較的温和な反応条件で金属酸化物を合成する材料合成法である。セラミックスの低温合成法として注目され発展してきたが、合成プロセスが多彩で、バルク体、薄膜 (コーティング膜) 、ファイバー、粒子などいろいろな形の製品をつくることができる。特に近年、有機-無機ハイブリッド材料の合成にこのゾル-ゲル法が使用されるに至って、光機能、電子機能、熱機能、力学機能、化学機能や生体機能を有する高機能材料が盛んに開発され、光学・エレクトロニクス、塗料・コーティング、環境、エネルギーやバイオ・医療分野へ応用されている。ここでは、材料選択、ゾル-ゲル反応、反応機構、反応解析、機能性材料の開発などゾル-ゲル法の基礎から応用まで実務に応用できるようやさしく解説する。
- ゾル-ゲル法の基礎
- ゾル-ゲル法開発の歴史
- ゾル-ゲル反応とは
- ゾル-ゲル法の特徴 (長所と短所)
- ゾル-ゲル法の課題
- ゾル-ゲル材料の機能と応用
- ゾル-ゲル法の概要
- 加水分解反応と重縮合反応
- ゾル-ゲル反応の制御
- アルキルシリケート-1 (シランカップリング剤)
- アルキルシリケート-2 (架橋型有機アルコキシシラン化合物)
- ゾル-ゲル法の反応解析とゲル構造解析
- ゾル-ゲル (加水分解) 反応の解析
- ゾル-ゲル (重縮合) 反応の解析
- ゲル (ネットワーク) 構造の解析
- ゾル-ゲル法による材料合成
- ガラスの合成
- ファインセラミックスの合成
- コーティング膜の作製
- 微粒子 (ナノ粒子) の調製
- ゾル-ゲル法の応用 (高機能材料の開発)
- 有機‐無機ハイブリッド材料の合成
- 合成法
- 特性
- 構造解析
- 応用 (ハードコート剤)
- ナノポーラスシリカの合成
- 分子鋳型 (テンプレート) 法
- コア-シェル法
- 細孔壁構造の制御 (機能化)
- 応用 (触媒、吸着材、断熱フィルム、光制御薬剤、DDSなど)
- プロトン伝導性材料と燃料電池への応用
- 高活性触媒・光触媒への応用
- 無機 (セラミック) 分離膜への応用
- 表面機能制御への応用 (撥水コート剤)
- 生体 (適合性) 材料への応用
- 参考文献