第1部 PEFC用非白金触媒としてのシルク活性炭の適用可能性
(2015年8月17日 12:45〜14:15)
次世代の発電システムとして、燃料電池の実用化が進められている。定置用燃料電池に続き、燃料電池自動車の一般販売も始まっている。高性能化、耐久性向上などは解決されつつあり、現在は、低コスト化が主要な課題となっている。この解決のために、開発が行なわれている低白金・非白金触媒、その中でもシルクを原料とするシルク活性炭の酸素還元活性について紹介する。
- 燃料電池
- 燃料電池の原理
- 燃料電池の種類
- 燃料電池の特徴
- 白金代替触媒材料
- 白金代替触媒が求められる背景
- 酸化物系白金代替触媒
- 炭素系白金代替触媒
- 白金代替触媒の課題
- シルク活性炭触媒
- シルク活性炭の作製条件
- シルク活性炭の物性評価
(抵抗率測定、XRD 測定、XPS 測定、元素分析)
- ハーフセルを用いた電気化学測定
(酸素還元開始電位、酸素還元電流)
- MEAを用いた発電特性
- 反応メカニズム
- まとめ
第2部 ナノカーボンを担体とした白金触媒の高活性化
(2015年8月17日 14:30〜16:00)
ナノカーボンの表面はこれまでのカーボンのものとはまったく異なった化学的性質を有する。そのため表面を舞台とする触媒材料にも新しい性質が現れる。特に、白金微粒子d軌道とカーボンπ軌道の相互作用によって、白金の電子状態が変化し高活性になるところが驚きである。すなわち、安価な炭素材料が高価な白金材料をより優れた性質に変えるのである。このような担体効果を調べるには表面科学的手法が有効である。
- 触媒設計と表面科学の融合
- グラファイト系炭素を触媒担体とした触媒設計
- 炭素担体効果メカニズム解明の表面科学とのコラボレーション
- ナノカーボン触媒の優位性
- 表面の平坦性に由来するπ共役系が特長
- 電子伝導性、分子拡散効果、表面積効果
- カーボンナノチューブ担持触媒
- グラフェン担持触媒
- グラフェンと他のナノカーボンの違い
- グラフェン触媒の調製法
- 窒素ドープ効果
- カーボンナノチューブによる差異
- 炭素担体効果
- 表面科学的手法によるメカニズムの研究
- XPS、STM-STS、TPD、超高真空装置への反応器接続、分子線、RBS
- Pt/HOPGモデル触媒
- 単原子Ptクラスターの生成、Pt電子状態の変調、CO吸着エネルギーの変化
- N-HOPG表面の電子状態
- ドープ窒素近傍の炭素の局所電子状態、Ptクラスターの安定化
- まとめ