- 高温作動が可能なプロトン電解質膜
(2015年8月27日 10:30〜12:00)
- 2014年12月トヨタ燃料電池自動車「ミライ」が世界で初めて発売され燃料電池を利活用した新たな産業の誕生が始まりました。世界ではインフラの構築などによる新産業化への準備が進められています。
本講座ではこれらの産業へ新たに参入する方々のために高分子形燃料電池の基礎や情報について説明いたします。初めに単電池での部材や材料について概略を述べ、燃料電池の心臓部である電解質膜としてフッ素系ポリマー、炭化水素系ポリマー、複合系ポリマーや高温ポリマー電解質膜と特性などの最新情報や高性能電解質膜の設計について講演いたします。
- 高分子形燃料電池の基礎 ~電池セル (MEA) の部材と材料~
- 電解質膜の種類と特性
- PFSA膜の特性
- 炭化水素膜の特性
- ハイブリッド膜の特性
- 高温ポリマー電解質膜の特性
- 高性能な電解質膜に向けて
- 質疑応答・個別質問・名刺交換
- 有機-無機ハイブリッド膜を用いた燃料電池用電解質膜の電気特性評価
(2015年8月27日 12:45〜14:15)
有機物由来の柔軟性と無機物由来の耐久性を兼ね備える有機・無機ハイブリッド材料の特徴について解説し,プロトン伝導膜としての利用可能性について説明する。伝導サイトとして-SO3H基を含む既存電解質膜と比較し、P-OH基を含む電解質膜が無加湿下・中低温域において高いパフォーマンスを発揮することが報告されており,講座の後半ではリン酸基を有するハイブリッド材料に焦点を絞って解説を行う。
- 有機・無機ハイブリッド材料との出会い
- 有機・無機ハイブリッド材料とは?
- これまでの歴史や特徴の概説
- 無溶媒合成法の開発
- 応用例の紹介 (電解質以外)
- 固体高分子型燃料電池用電解質膜としての応用
- リン酸系プロトン伝導膜について
- 重合率傾斜型プロトン伝導膜の作製
- 各種の物性評価 (電気特性を含む)
- 今後の展開
- ナノファイバーを用いた電解質膜の作製技術と低加湿発電特性
(2015年8月27日 14:30〜16:00)
高分子形電解質膜には、 (1) プロトン伝導性 (2) ガスバリア性 (3) 膜安定性 (4) 耐久性 など求められる要求性能は多い。高分子材料のみで全ての要求を満たすことはほぼ不可能に近いが、今回紹介するプロトン伝導性を有するナノファイバーフレームワーク (NfF) を電解質膜の基本骨格に用いれば、高分子材料で不足していた性能を向上させるだけでなく、元々持っていた特性をもさらに高めることもできるようになる。さらに超薄膜化も可能となるため、電解質膜の低コスト化も実現できる。
今後は、あらゆる高分子材料にプロトン伝導性NfFを組み込みことで既存の電解質膜性能の向上に貢献したい。
- ナノファイバー研究の現状
- ナノファイバー作製法
- ナノファイバーマットの構造制御
- ナノファイバー1本の物性
- プロトン伝導性ナノファイバーをフレームワークとする新しい高分子形電解質膜の燃料電池特性
- プロトン伝導性ナノファイバー1本の特性
- プロトン伝導性ナノファイバーフレームワークからなる電解質膜の燃料電池特性
- ナノファイバー表面をプロトンが伝導するフレームワークからなる電解質膜の燃料電池特性