本セミナーでは、iPS細胞用 無血清培養技術の開発について詳解致します。
(2015年8月28日 12:30〜14:30)
無血清培養とは、血清の代わりに既知の組成からなる精製因子を添加することにより、再現性の高い培養環境を整備することであり、組成が明らかにされていない培地は無血清培養の概念からは外れる。無血清培養を用いることにより、添加因子の影響を正確に評価でき、細胞の応答能を知ることができる。これまでに無血清培養を用いてヒトES/iPS細胞におけるヘパリンによる細胞増殖やFGF-2によるシグナルカスケードを明らかにすることにより無血清培地の開発を行ってきた。その開発方法や使用についての「コツ」を概説する。
(2015年8月28日 14:40〜16:40)
ES/iPS細胞は様々な細胞に分化できる反面、状態が不安定であり、細胞の制御・管理が難しいという問題があります。この問題に対し従来は、血清のロットを大量に確保し、かつ培養ロボットシステムを用いる、という物量作戦で対処してきました。我々は逆の対処法を試みています。無血清培養により細胞に「何を」「どれだけ」与えるかを明確にし、微細加工により「いつ」「どこに」与えるかを精密に制御します。本講義では無血清培養法を、微細加工技術のような他の技術と組み合わせて使用する場合、どんな利点があるか、また何に注意する必要があるのかを検討したいと思います。