第1部 非無菌製剤における環境微生物モニタリング/品質管理と測定ポイント設定根拠
(2015年9月25日 10:30〜13:00)
2009年7月から、EU Annex 1改訂版に合わせて、無菌操作法による無菌医薬品製造指針改正班が立ち上がり、2010年7月に改正案の作成が完了し、その後2011年3月に事務連絡として発出され、また2012年11月に「最終滅菌法の指針改訂版」が出された。
このような状況を踏まえ、日米EU三極の生物製剤を含む無菌医薬品製造に関するGMPや指針に基づく議論が進められているが、厚生労働省は2012年3月にPIC/S加盟申請が受理され、2014年5月頃にもPIC/S加盟が承認される可能性が出てきている。
PIC/Sにおける査察で特に求められる可能性があるのは、無菌製剤ではあるが、非無菌製剤の査察も行われるとされている。特に科学的論拠による製造環境のモニタリングの実施であろう。特にクリーンルーム環境における空調システムでは、アラート・アクションの明確な設定と管理であり、本講座では、グローバルな医薬品製造の動向を踏まえた無菌製剤に管理の必要とされると考えられる諸項目に焦点化して解説する。
- 局方におけるび非無菌製剤の管理の考え方とアラート・アクションレベルの設定の意義
- 医薬品の品質における微生物管理と環境管理の関連性
- 非無菌医薬品に微生物の影響を及ぼす意味と範囲
- 無菌医薬品と異なる管理
- 非無菌医薬品製造に関する重要特性と空調管理
- 非無菌医薬品のCQA (重要品質特性) と無菌医薬品のCQAの違い
- 環境微生物の挙動と生命体の科学的視点からの医薬品製造管理の重要性
- 環境モニタリングの考え方と製造工程でのクリーンルームの滅菌・除染法、菌の増殖防止
- クリーンルームまたは清浄度の環境のモニタリングの必要性の範囲
- 製造環境の除染の重要性と菌管理の範囲
- PIC/S加盟におけるギャップ改善
- PIC/S GMPが求める非無菌医薬品に対するバリデーションの重要事項
- クリーンルームの運営と結露対策
- モンスーン型気候の地域における梅雨時の温湿度管理と結露対策の重要性
第2部 非無菌/無菌の必要管理比較をふまえた
PIC/S GMPが求める製造管理のレベルとバリデーション事項
(2015年9月25日 13:50〜16:30)
2013年8月の施行通知改正により、PIC/S GMPとJ-GMPとは同等の品質保証レベルにあり、製造管理の要請事項に差異がある訳ではない。問題になるのは、その要請の具体的実践法である。
本講では、製造管理とバリデーションで何が重要となるか、それをどのように実践するかを非無菌製剤を中心に解説する。
- PIC/S GMPガイドが求めているのは
- PIC/S GMPガイドの特徴
- PIC/S GMPの基本スタンス
- PIC/S GMPベースの査察とは
- 無菌製剤と非無菌製剤の異物対策の違い
- 苦情対象の異物サイズ
- 錠剤の異物許容限度
- 固形製剤の異物はほとんど外因性
- 原料異物への対策
- 無菌製剤の原材料管理とは
- 非無菌製剤の防虫対策
- ハビットコントロール
- 捕集虫による防虫診断
- 固形製剤では、粉塵飛散に伴う作業者の健康管理に配慮がいる
- 産業衛生 (IH : Industrial Hygiene) の視点
- 職業曝露限界値 (OEL) の算出法
- 飛散リスクの定量的評価
- 防護策
- 無菌製剤と非無菌製剤のバリデーションの特徴
- 無菌製剤では特にQualificationが重要
- 無菌製剤のバリデーション評価項目
- プロセスシミュレーションとは
- 無菌製剤室では環境モニタリング
- 固形製剤では特にStage1: Process Design段階が重要
- 製剤開発に関するガイドライン
- 固形製剤の工業化検討
- デザインスペースとは
- 目標製品品質プロファイル (QTPP) とは
- 重要工程パラメータ (CPP) とは
- 重要品質特性 (CQA) とは
- 管理戦略への流れ
- リアルタイムリリース (RTR) 試験とは
- PAT (プロセス解析工学) とは
- バリデーションでよくある誤解