UV (紫外線) 硬化樹脂の硬化過程は,成形品の物性に大きな影響を及ぼすと考えられてきたが,UV硬化樹脂の硬化時間がわずか数秒と極めて短く測定が困難であるため、これまで十分な研究が行われてきたとは言い難い。我々はphoto DSCと並んで最もよく使われているreal time FT-IRの測定精度と再現性を大幅に向上させる手法を開発し、real time FT-IR測定によりUV硬化反応の見かけの反応速度定数の解析を可能にした.これにより従来よりも系統的な研究が可能になり、硬化過程のシミュレーション、酸素阻害の評価などを行えるようになった.また,ロールツーロールのナノインプリントや3DUVプリンターなどへも展開している。
- 講義の位置づけ
- ロールツーロールUVナノインプリントプロセス
- ラインスピードとUV硬化樹脂の反応率,硬化フィルムの弾性率
- UV照射強度とUV硬化樹脂の反応率,硬化フィルムの弾性率
- 反応率と弾性率の関係
- UV光の分布とフィルムの弾性率の関係
- real time FT-IRを使用した硬化過程の測定法
- 試料光学系 (透過,反射,ATR) の特徴
- 透過光学系の詳細
- 測定の再現性を支えるテクニック
- 測定例:UVの照射時間と反応率
- 反応速度定数の算出方法
- 暗反応 (暗重合) の実験方法
- 反応速度定数の算出方法
- その他のシミュレーションに必要なパラメータの決定法
- 硬化過程の数値シミュレーション
- 自由体積と拡散現象
- Anseth-Bowmanモデルの解説
- 実験で得られた反応速度定数へのフィッティング
- 酸素の拡散係数の決定方法
- 溶存酸素濃度の決定法
- 計算例:照射時間と反応率の関係
- シミュレーションで得られた反応速度定数と実験値との比較
- 3DUVプリンターにおける酸素阻害の影響
- 3Dプリンターの概要
- UV硬化樹脂を使った3Dプリンター
- 3Dプリンターの模擬実験
- シミュレーションによるモノマーと酸素濃度の変化
- UV硬化樹脂が積層されることによる反応率分布
- 収縮率の分布
- フォトレオメータでわかること
- レオロジーの解説
- フォトレオメータのしくみ
- 測定例
- 測定結果から推測されるネットワーク構造
- まとめ
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