本セミナーでは、全固体二次電池の高容量・高出力化技術について詳解いたします。
(2015年7月31日 10:30〜12:00)
固体高分子電解質 (SPE) は、ポリエーテルなどの極性高分子と塩 (イオン源) から構成される新しい電解質材料である。これまでの電解質材料は、有機溶媒や無機系固体が主流であった。SPEは、液体などの漏洩が無く、かつ高分子特有の柔軟性を活かすことができる。このような特徴は、デバイスの軽量化や薄膜化につながるため、次世代イオニクス材料として注目されている。 本講演では、SPEの基礎 (高分子の構造、塩溶解メカニズム、イオン輸送現象、高次構造の影響など) を解説し、実用化に向けた問題点や今後の課題について述べる。さらに、演者による新しい研究成果についても紹介し、新規SPE材料としての応用の可能性について考察する。
(2015年7月31日 12:45〜14:15)
本講演では,錯体水素化物固体電解質LiBH4,硫黄正極および金属リチウム負極を利用した,高エネルギー密度型全固体リチウム硫黄電池開発に関する最近の取り組みを紹介する.また,全固体電池の高性能化を目指し,その要素材料である錯体水素化物固体電解質開発の指針について述べる.
(2015年7月31日 14:30〜16:00)
リチウムイオン二次電池は携帯機器に加えハイブリッド電気自動車や電気自動車、住宅用電源にも搭載されつつある。電池の大型化、高エネルギー密度化に対し、可燃性の有機溶媒を用いた現状のリチウムイオン二次電池では過充電時や高温環境下での使用時等における安全性が懸念される。このリチウムイオン二次電池の電解質を不燃性で電位窓の広い無機固体電解質に置き換えることにより、安全性を高めた次世代型蓄電池の実現を目指す開発が活発に行われている。本講義では、固体電解質の特徴を概説し、全固体リチウムイオン二次電池の問題点とそれを解決するためのアプローチ、抵抗存在箇所の推定などについて、当社の開発事例を交えて紹介する。