第1部
査察等で指摘を受けない為のGMPドキュメント作成・記載不備と記録の残し方
(10:30~13:00)
GMPやEU-GMPでも特に重視されているマスター製造管理記録書とこれを複写して必要事項を記入して、バッチ製造記録となる「作業と記録の同時性」を確保するドキュメントとしての記載不備事項はGMP査察、適合性調査、Audit、内部監査などに於いてCritical/Majorな指摘事項となり得る。
又、逸脱報告やOOSの記録の残し方についても同様、根本的な原因究明の調査記録、是正措置、予防措置の妥当性評価などCAPAの記録にも繋がる重要なGMPドキュメントであることからその作成は論理的根拠に基づいたもので無ければならない。
今回は、これら重要なGMPドキュメント作成上の重要なポイントと査察等で指摘を受けない為のドキュメント作成について解説する。
- QAレビューに於いて散見される製造指図記録書
(MBR/Batch Production and Control Records バッチ製造記録) での記録上の不備事項などについて
- バッチ製造記録記載・規定事項と実作業との整合性につき、
精査・検証記録書上のGMP的 (法令上) 逸脱、変更等の記載不備事例
(実作業との非整合を取り上げ、その内容を比較検証・事例検証する)
- 製販業者による出荷状況確認 (GMP監査) 時の記載不備指摘事例
- FDA改訂プロセスバリデーションガイダンスが求めるドキュメントについて
Stage 2 プロセスの適格性確認
- 稼働性能適格性 (PQ) 確認の計画書での記載推奨事項
- 稼働性能適格性 (PQ) 計画の実施と報告書での記載推奨事項
- 逸脱報告書でのロジカルな調査記録、報告の記載 (記録の残し方) について
(査察等での指摘事項をふまえて)
- 変更管理計画 (申請) 書の記載内容について (査察等での指摘事項をふまえて)
- OOS記録の記載 (残し方) について (査察等での指摘事項をふまえて)
- 再加工 (Reprocessing) に於ける製造指図記録の記載 (記録の残し方) について
第2部
GMP関連文書および記録文書・管理に関する指摘事項
(13:50~16:30)
適切に文書化されたドキュメンテーションの保持は、GMPにとって必須です。よい文書化は品質保証システムの基本要綱であり、したがってGMPのあらゆる面に関係しています。
GMP査察の指摘事項を教訓として、自社のGMPを見直し問題点を浮かび上がらせ、改善を図ることが期待されます。
本講座では、3極GMP査察 (GMP適合性調査、FDA査察、EMA査察) における文書のGMP要件に関する逸脱事例について学び、対策等について解説します。
- 申請書及びDMFの記載内容に関する指摘事項
- 文書管理に関する指摘事項
- SOPに関する指摘事項
- 作業手順が不適切
- サンプリング手順に問題
- 汚染防止手順が十分でない
- バリデーション文書に関する指摘事例
- 文書の内容に不備がある
- 重要工程のバリデーションが欠如
- プロトコールに必要事項が記載されていない
- プロセスの性能を管理するバリデートする管理手順書
- 許容できない状況下で、回顧的バリデーションを実施
- 洗浄バリデーション:清浄度を検証する方策や根拠が不適切
- 品質管理手順書に関する指摘事項
- 規格外試験結果の原因調査が未実施
- バッチが規格に適合していることを証明できない
- 安定性試験の方法が不適切
- コンピュータシステム管理手順書に関する指摘事項
- 逸脱、不一致あるいは不適の文書化および調査
- 不適品に関する調査を十分に調査していなかった
- OOSを実際にはOOSと判断していた
- 逸脱処理手順が不適切である
- 根本原因の調査が実施されていない
- 変更管理手順書に関する指摘事項
- 教育訓練手順書に関する指摘事項
- 苦情処理手順書に指摘事項
- 苦情処理記録に記載されていない
- 原因調査が実施されていない
- 苦情調査報告書にバッチ記録等を照査したことが記載されていない