本セミナーでは、様々な共鳴型ワイヤレス電力伝送の回路構造をおさらいし、その伝統的な評価方法と新しい評価方法を考え、電磁界シミュレータを使った共振器の解析と、その解析結果を無料のアナログ回路シミュレータSPICEにインポートするための等価回路抽出の手法を紹介いたします。
近年MIT方式の共鳴・共振結合によるワイヤレス電力伝送の実用化が期待されています。今後、規格が整備され、設計指標やリファレンスデザインが入手できるようなり、相互接続性も実現されてゆくことでしょう。しかしたとえ同じ規格に従って製品を設計しても、コイルや共振器のアナログ的な性能に依存して、最終的な性能に差が現れるはずです。 この共振器と全体の性能との関係はバンドパスフィルターの伝統的な設計理論で説明できると考えられてきましたが、最近近代的なシミュレーションや測定系と整合ししかもワイヤレス給電に特化した手法が提案されています。今後のワイヤレス電力伝送系の評価には、新しい理論への理解が必要となるでしょう。 また、共振器の設計に電磁界シミュレーションの利用が不可欠と考えられていますが、電磁界理論の基礎知識が不十分なまま高価な電磁界シミュレータを使用して、費用と時間を浪費する事例はますます増えています。