今、新興国の企業は日本企業の経営や技術を徹底して研究し、それまでリードしてきた日本企業を追い上げ、既に少なからぬ分野で日本企業を凌駕する状況が生まれています。日本企業が、欧米企業はもとより、このようなますます厳しくなる新興国の企業との競争に勝つためには、研究開発においても同じ土俵で研究開発を競うのではなく、競合企業に先んじて 革新的なテーマを継続的に創出し取り組むことが極めて重要になってきています。
しかし、革新的なテーマを継続的に創出するためには、多くの企業でこれまで行ってきたような、研究者個人に依存したテーマ選択や、小手先のアイデア発想法だけでは不十分です。今、革新的テーマを継続的に創出するために求められているのは、そのための『体系的な大きな仕組み』です。
- なぜ革新的テーマの創出が必要なのか?
- 21世紀の産業界の現実
- 日本企業が行く道
- 日本企業のテーマ創出上の問題点
- 研究開発テーマ創出の改革の2つの方向性 (Whatへの経営資源シフトと体系的仕組みの構築)
- 革新的アイデアを継続的に創出するメカニズム
- 大胆な枠組みの必要性
- 革新的テーマの3つの原料 (市場の知識、技術の知識、自社の強み) のスパーク
- スパークを起こし革新的テーマを創出するための4つの要件
- 具体的事例 (東レ等)
- 顧客価値の提供機会を見つける視点
- 顧客価値拡大モデル (VACES)
- Value (日本触媒、帝人の例等)
- Anxiety (シマノ、日本テトラパック、Bush Boake Allenの例等)
- Cost (東洋電機、3Mの例等)
- Empowement (コマツ、航空機メーカーの例等)
- Society (通信機器メーカーの例等)
- B2C企業の顧客価値拡大モデルの注意点 (心理的価値の重要性)
- 革新的テーマ創出に向けてのスパークのための3つの原料
- 「市場の知識」の強化
- 市場・顧客を理解する3軸 (TADモデル)
- 市場の将来を読む方法 (Time) 、市場を見る視野を広げる方法 (Area) 、顧客を深く知る方法 (Depth)
- 具体的事例 (島津製作所、NEC、IBM、シマノ、日本テトラパック、ワコール、ICIペイント、キーエンス、イッツコム、富士フイルム、3M等)
- 「技術の知識」の強化
- スパークに必要な技術知識 (自社技術・周辺技術の知識蓄積・拡大と他技術の吸収)
- 技術知識蓄積・拡大モデル (BCASモデル)
- 発信 (Broadcast) 、収集 (Collect) 、研究開発 (Act) 、共有化 (Share)
- 具体事例 (ホンダ、ナイキ、村田製作所、東レ等)
- なぜ自社にない世の中の技術の吸収なのか? (ワトソンとクリックによるDNAの二重螺旋構造の発見等)
- 自社にない世の中の技術の吸収法
- 「自社の強み」の明確化
- 自社の強みの重要性と特長
- 技術の強み
自社技術の棚卸し、コア技術戦略の実行 (富士フイルム、3Mの事例含む)
- 技術以外の強み
技術以外の強みの視点、技術以外の強みを創出する場合の注意点
- スパークを起こし革新的テーマを創出するための4つの要件
- 革新的テーマ創出のための環境の用意
- 業務の緊急度と重要度からの示唆
- 具体的事例 (3M、グーグル、東レ等)
- 多様なソースから情報・知識を集める
- なぜ多様性が重要なのか? (3Mの例)
- 多様性の3つの視点
- 具体的事例 (GE、シスコ、日立製作所の例等)
- テーマ創出に向けて情報・知識を『圧縮』
- テーマ創出に向けて情報・知識を『圧縮』する方法
- 知的格闘の場の設定 (ホンダの例)
- アイデア発想法 (デザイン思考等)
- 要素技術からのテーマ創出 (要素技術機能展開法)
- 組織・構成員の意欲による『着火』
- 『着火』の必要性
- 背水の陣を敷く・敷かせる (ホンダの例)
- 失敗の許容・奨励 (3Mの例)
- 非金銭的報酬を与える (同上)
- 最後に