本コースは、「パワーデバイス基礎・技術動向」と「高耐熱封止樹脂」のセミナーをセットにしたコースです。
セット受講で特別割引にてご受講いただけます。
2テーマ 通常受講料 : 92,340円(税込) → 2コース申込 割引受講料 76,950円(税込)
シリコンIGBTは1985年に初めて製品化されて以来、その技術革新には目覚ましいものがある。そして現在ではハイブリッドカーなど、その適用範囲をますます広げ、パワーエレクトロニクス機器のキーデバイスとして中心的な役割をしている。そのIGBTも、シリコンの物性値で決まる特性限界が近づきつつあると言われており、市場の関心はシリコンデバイスからSiCやGaNデバイスにいつ本格的に移行するかというところにある。このSiCパワーデバイスであるが、インバータエアコン、産業用インバータ、電鉄など最近ようやくSiCを搭載したパワーエレクトロニクス機器も適用・販売され始めてきた。また、GaNパワーデバイスも、昨年600Vクラス素子の量産が発表されさらに4.5kW太陽光PCSに搭載・販売が開始された。
SiCパワーデバイスの開発はいったいどこまで進んでいるのか、またどんな課題が残っているのか。SiCデバイスの構造設計やプロセス技術の最新状況を詳細に解説し、シリコンならびにGaNパワーデバイスと比較しながらSiCパワーデバイスの課題や今後の動向についてわかりやすく説明する。また高温・高周波動作に対応する最近の実装技術についても解説する。
- パワーデバイスの現状
- どんな用途に何が使われているのか?
- パワーデバイスに要求される特性は何なのか
- 最新シリコンIGBTの進展と課題
- なぜIGBTがパワーデバイスの主役になったのか
- 最新IGBTの現状
- IGBT特性改善を支える技術
- 薄ウェハ化の限界
- SiCパワーデバイスの現状と課題
- そもそもなぜSiCなのか
- 何がSiCとGaN適用領域の違いを決めるのか
- SiC-MOSFETがいいのかSiC-IGBTがいいのか
- 高温動作ができると何が良いのか
- SiCウェハができるまで
- ステップ制御エピタキシとは
- SiC-SBDそしてSiC-MOSFET開発へ
- SiCパワー半導体の適用製品発表例:鉄道、産業
- 最近のSiCトピックスから見えること
- SiC-MOSFETの課題
- SiC-MOSFET作成プロセスの特徴
- SiCデバイスのイオン注入工程
- インプラ・アニール工程での問題点
- ゲート酸化膜の形成方法
- 界面準位のMOSFET特性への影響
- チャネル移動度の報告例
- ゲート電圧印加後のしきい値変動
- SiCデバイス信頼性のポイント
- 更なる特性を目指して:SiCトレンチMOSFETの開発
- GaNパワーデバイスの現状と課題
- なぜGaNパワーデバイスなのか?
- 最近のトピックス
- Si基板上へのMOCVDによるエピ膜成長
- SiC・GaNデバイスの対象領域
- GaN-HEMTデバイスの特徴
- ノーマリ-オフ特性
- GaN-HEMTのノーマリ-オフ化
- GaN-HEMTの課題
- Current Collapse現象メカニズム
- Current Collapse対策
- 高温・高周波対応実装技術
- パワーデバイス動作中の素子破壊例
- 高温対応封止材
- SiC-MOSFET新型モジュール外観と断面
- まとめ
低炭素社会の鍵を握る省エネデバイスとしてパワーデバイスが注目されている。特に200℃を超える温度での稼動領域を有するSiC半導体の適用も視野に入っており、高効率のパワーデバイスパッケージやモジュールの実現が急がれている。特に、急成長が見込まれる自動車分野のパワーモジュールは、250℃に達する耐熱性が要求される。本セミナーでは、次世代パワーデバイスとして期待されるSiC、GaN半導体の特徴と応用について述べる。この後、カーエレクトロニクス及び、パワーデバイスモジュールについての最新技術動向について報告する。さらに、この封止材料、伝熱シート材料に必要とされる性能とその鍵となる高耐熱の熱硬化性樹脂について、Q&Aの時間を設けながら、材料設計、開発、評価技術の基礎から応用まで解説する。
最新の研究事例とともに、4年が経過したSiC等大電流パワーモジュール用実装材料評価プロジェクト (略称KAMOME-I,II) の活動概要を紹介する。
- 低炭素社会とパワーモジュール
- 低炭素時代に向けてのCO2の排出量削減計画
- パワー半導体の果たす役割と市場の予測
- カーエレクトロニクスとパワーモジュール
- 高耐熱パワーモジュールの応用製品と技術動向
- デバイス、パワー密度、使用温度、冷却構造
- パワーデバイス (Si、SiC、GaN) とパワーモジュールの構造
- パワーモジュールの信頼性評価
- 高耐熱パワーモジュール実装技術と高分子材料
- 耐熱性高分子材料の設計と評価
- 物理的耐熱性と化学的耐熱性 (短期熱的特性と長期熱的性能)
- 成形性と機械特性及び耐熱性の評価
- 高分子の化学構造と特性
- 耐熱性、低熱膨張率エポキシ樹脂
- エポキシ樹脂の反応と分子設計
- エポキシ樹脂の材料設計
- 分子間相互作用と耐熱性、低熱膨張性
- エポキシ樹脂の高耐熱化へのアプローチ
- 多環芳香族のスタッキング硬化
- フェノールによる水素結合の効果
- 300℃超への挑戦
- ベンゾキサジンとビスマレイミドの反応を利用した耐熱性樹脂
- 低温硬化型高耐熱性シアネートエステル樹脂
- シアネート樹脂のエポキシ樹脂による高機能化
- 高耐熱性封止材の特性
- 高熱伝導性接着シート材への応用
- エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂の強靭化
- パワーモジュール試作とプラットフォームの構築
- SiC等大電流パワーモジュール用実装材料評価プロジェクト
(KAMOME-IとKAMOME-II) の紹介
- 試作状況とプロジェクトネットワークの重要性
- 実装技術と材料の今後の課題