低炭素社会の鍵を握る省エネデバイスとしてパワーデバイスが注目されている。特に200℃を超える温度での稼動領域を有するSiC半導体の適用も視野に入っており、高効率のパワーデバイスパッケージやモジュールの実現が急がれている。特に、急成長が見込まれる自動車分野のパワーモジュールは、250℃に達する耐熱性が要求される。本セミナーでは、次世代パワーデバイスとして期待されるSiC、GaN半導体の特徴と応用について述べる。この後、カーエレクトロニクス及び、パワーデバイスモジュールについての最新技術動向について報告する。さらに、この封止材料、伝熱シート材料に必要とされる性能とその鍵となる高耐熱の熱硬化性樹脂について、Q&Aの時間を設けながら、材料設計、開発、評価技術の基礎から応用まで解説する。
最新の研究事例とともに、4年が経過したSiC等大電流パワーモジュール用実装材料評価プロジェクト (略称KAMOME-I,II) の活動概要を紹介する。
- 低炭素社会とパワーモジュール
- 低炭素時代に向けてのCO2の排出量削減計画
- パワー半導体の果たす役割と市場の予測
- カーエレクトロニクスとパワーモジュール
- 高耐熱パワーモジュールの応用製品と技術動向
- デバイス、パワー密度、使用温度、冷却構造
- パワーデバイス (Si、SiC、GaN) とパワーモジュールの構造
- パワーモジュールの信頼性評価
- 高耐熱パワーモジュール実装技術と高分子材料
- 耐熱性高分子材料の設計と評価
- 物理的耐熱性と化学的耐熱性 (短期熱的特性と長期熱的性能)
- 成形性と機械特性及び耐熱性の評価
- 高分子の化学構造と特性
- 耐熱性、低熱膨張率エポキシ樹脂
- エポキシ樹脂の反応と分子設計
- エポキシ樹脂の材料設計
- 分子間相互作用と耐熱性、低熱膨張性
- エポキシ樹脂の高耐熱化へのアプローチ
- 多環芳香族のスタッキング硬化
- フェノールによる水素結合の効果
- 300℃超への挑戦
- ベンゾキサジンとビスマレイミドの反応を利用した耐熱性樹脂
- 低温硬化型高耐熱性シアネートエステル樹脂
- シアネート樹脂のエポキシ樹脂による高機能化
- 高耐熱性封止材の特性
- 高熱伝導性接着シート材への応用
- エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂の強靭化
- パワーモジュール試作とプラットフォームの構築
- SiC等大電流パワーモジュール用実装材料評価プロジェクト
(KAMOME-IとKAMOME-II) の紹介
- 試作状況とプロジェクトネットワークの重要性
- 実装技術と材料の今後の課題