燃料電池における金属多孔体セパレータによる発電性能向上
(2015年7月13日 10:00〜11:20)
自動車などに燃料電池を使用するためには,発電出力密度の向上が求められる.発電出力密度の向上は燃料電池の小型化を可能とするため,コスト低減の点でも有効である.本講では,金属多孔体を燃料電池のセパレータ流路に採用することで発電出力密度を増加させる手法などについて紹介する.
- 自動車の燃料として水素を利用することの意義
- 自然エネルギーの利用と水素
- 二次電池と水素のエネルギー密度
- 燃料電池の基本構造と自動車利用に向けた課題
- 燃料電池の基本構造
- 燃料電池の自動車利用に向けた課題
- 出力密度の向上
- エネルギー密度の向上
- 自然エネルギーのキャリアとしてのメタノール
- 金属多孔体セパレータによる燃料電池の発電出力向上
- 多孔体セパレータによる有効電極面積の増加
- 様々な金属多孔体材料を用いたセパレータ
- 発電出力向上と交流インピーダンス解析
- セパレータと電極の間の接触抵抗
- セパレータ流路の圧力損失
フェライト系ステンレスを用いた燃料電池用セパレータの開発と特性評価
(2015年7月13日 11:30〜12:50)
固体高分子形燃料電池のコスト構造として、セパレータが23%を占めている。燃料電池自動車への搭載を想定すると、耐振動性、抵ガス透過性が必須であり、これらの点では金属セパレータが優位である。これまで、金属セパレータにおいて多くの研究開発が行われており、我々は、フェライト系ステンレスに窒素熱処理を施すことによって、従来のステンレス鋼に比べて5分の1の腐食電流を達成した。
- 固体高分子形燃料電池とセパレータ
- 固体高分子形燃料電池とは
- セパレータの役割と特性
- 固体高分子形燃料電池用セパレータ技術
- カーボンセパレータ
- 金属セパレータ
- ステンレスの耐食メカニズム
- ステンレス鋼
- 耐食性と不働態皮膜
- 窒素熱処理技術
- 従来の窒化技術
- 本窒素熱処理の窒化メカニズム
- 今後の展開
固体高分子形燃料電池セパレータ用ステンレス鋼箔の開発
(2015年7月13日 13:40〜15:00)
不働態皮膜、すなわち絶縁性の耐食皮膜が存在するため、一般に高い接触抵抗を示すステンレス鋼の、導電性の改善に、鋼表面に分散析出する導電性の介在物を活用していること。
- 燃料電池について
- 燃料電池とは
- 燃料電池の種類
- 燃料電池の適用事例
- 固体高分子形燃料電池の構造とセパレータ環境について
- 固体高分子形燃料電池の構造
- セパレータの環境
- 固体高分子形燃料電池用開発ステンレス鋼について
- 設計思想
- 製造工程
- 導電性
- 耐食性
- 機械的特性
- 燃料電池運転特性
燃料電池におけるステンレス鋼セパレータの腐食評価および接触抵抗対策
(2015年7月13日 15:10〜16:30)
PEFCにおけるセパレータの役割と必要とされる諸特性をレビューした後、最も有望な材料のひとつと考えられているステンレス鋼を適用した場合の課題、特に腐食と接触抵抗の問題を述べる。また演者らが腐食研究のために開発したセパレータの仕様や窒化物を介在させるステンレス鋼の表面処理法について紹介する。窒化物を利用する方法として、TiNとSBRとの複合体を泳動電着する方法と、硝酸溶液中でステンレス鋼をカソード処理 (電気化学的窒化) する方法とを紹介する。
- 固体高分子形燃料電池の構成
- セパレータの構造と役割
- セパレータとしてのステンレス鋼の耐食性評価
- 模擬環境下における分極挙動
- 模擬環境下でステンレス鋼上に生成する不動態皮膜のXPS解析
- 発電試験によるステンレス鋼の耐食性評価
- 発電試験でステンレス鋼上に生成する不動態皮膜のXPS解析
- ステンレス鋼とカーボンガス拡散層との接触抵抗評価
- TiN-SBR処理したステンレス鋼製セパレータの特性
- 電気化学的窒化処理したステンレス鋼製セパレータの特性