本セミナーでは、セルロース誘導体の種類と選び方・使い方について詳解いたします。
(2015年7月16日 11:00〜13:00)
“元祖”熱可塑性ポリマーであるセルロース誘導体は,近年ではバイオベース化のための素材としても注目されている。セルロースは誘導体化によって熱可塑化されるばかりでなく,セルロース主鎖の半剛直性と導入側鎖とのバランスの下で複雑な分子凝集構造が観察される。比較的簡便な誘導体化反応でセルロースの物性を大きく変化させられる反面,高度に活用するためには,明確な分子・分子集合体の構造解析を行った上で,構造-物性の相関を系統的に取り扱うことが肝要である。本講座では,ベーシックなセルロース誘導体の分子構造と物性の相関を概観し,分子凝集構造の設計,異種成分との微視的複合化,ならびに配向制御により機能設計を図った例を紹介する。
(2015年7月16日 13:45〜15:15)
セルロース系増粘剤を水溶性セルロース誘導体と固体分散系増粘剤に大別して、それぞれの増粘特性を他の増粘剤と比較しながら特徴付けをします。市販されている水溶性セルロース誘導体を概説した上で、最も代表的なカルボキシメチルセルロースを例に挙げながら食品・化粧品・医薬品への応用事例と増粘剤選定のポイントを紹介します。続いて固体分散系増粘剤がセルロース系ならではの高い擬塑性流動を示すことを説明し、応用事例を紹介します。さらに最新の研究事例として高い粘度と擬塑性流動を示し、ゲルであるにもかかわらず霧状噴霧が可能なセルロースナノファイバーについても紹介します。化粧品・医薬品用途に用いられる合成系増粘剤については、代表的な市販品を概説します。
(2015年7月16日 15:30〜17:00)
セルロース誘導体の中から信越化学で製品化しており、工業用、食品用として製品化しているメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、さらに建材用に主に用いられるヒドロキシエチルメチルセルロースについて性能の評価と応用例について紹介する。また医薬用に開発された崩壊剤の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースや腸溶性のセルロース誘導体についても紹介する。