本セミナーでは、軟磁性材料の低損失、高磁束密度化とパワーエレクトロニクスへの応用技術について詳解いたします。
(2015年6月30日 10:00〜11:20)
アモルファス軟磁性合金が発見されてから50年近くが経過、省エネ化と地球温暖化対策の観点から普及が進む配電用変圧器、高周波変圧器、インダクタなどのパワーエレクトロニクス機器で広く用いられており、量産化を念頭としたモーターの検討も行われている。ナノ結晶軟磁性合金についても発見から25年以上が経過し、高周波変圧器、EMIフィルタ、電流センサなどとしてパワーエレクトロニクス分野やパルスパワー分野を始めとする各種用途での地位を獲得している。
本講座では、この2種類の軟磁性合金について、製造方法、特徴と代表的な応用例について他の競合材料との比較で紹介する。また、現在開発中の次世代の高飽和磁束密度ナノ結晶軟磁性合金についても紹介する。
(2015年6月30日 11:30〜12:50)
高飽和磁束密度と超低損失特性を兼備するナノ結晶軟磁性合金“NANOMET”について、非平衡合金の中での位置付けや開発経緯を説明するとともに、他の軟磁性材料との比較を通じて本合金の特異なナノ構造・組織、軟磁気特性について概説する。さらに、急冷凝固・ナノ結晶化熱処理等のNANOMETに特有な製造プロセスを詳説し、現在、素材技術プロジェクト (文部科学省・復興庁) で応用研究が進展する変圧器・モータ等の例を挙げて、パワーエレクトロニクスでの実用化上の勘所と将来の見通しを述べる。
(2015年6月30日 13:30〜14:50)
本講座では、電磁機器は、小型・軽量化、省エネ化、省資源化などが要求されている。その要求に対応する方法として、3次元形状化がある。特に、モータにおいて、電磁鋼板では困難となる3次元形状には軟磁性複合材料による圧粉磁心の適用が最適です。
モータ用電磁鋼板と同等の磁気特性を実現するためには軟磁性複合粉末の高密度圧縮成形工法が重要となる。従来の圧縮成形工法では、圧粉磁心の成形密度向上には限界があり、その阻害要因を明確にした。
本高密度圧縮成形工法では、阻害要因を低減する工法であり、成形密度の向上を図ることができ、種々の形状サンプルを試作した。形状サンプルを持参する。電磁機器に圧粉磁心の適用を検討するにあたり、開発の一助となれば幸いです。
(2015年6月30日 15:00〜16:20)
モータの高効率化には、これまでの技術領域をブレークスルーして、新たに材料とその使い方まで遡って考える必要がある。特にインバータなどパワーエレクトロ二クス器で励磁されるモータでは、磁性材料の評価方法が従来とは異なり、新たな展開を要する。ここでは、こうした動向の元、磁性材料の評価方法および材料特性を活かしたモータの高効率化について解析、試作方法、実測データをもとに述べることにする。