化学修飾と成形加工による セルロースナノファイバー強化熱可塑性ポリマーの力学的特性の向上
(2015年6月12日 10:30〜11:50)
セルロースナノファイバー (CNF) は,高強度,高耐熱性など様々な優れた特性を有し,プラスチックの強化繊維であるガラス,炭素よりも軽量であるうえ,植物由来であることから注目されている。本講座では、セルロースを幾つかの化学修飾により処理することにより得た変性セルロースを熱可塑性樹脂に添加し作製したCNFポリマー複合材料の力学的特性、化学変性度合が力学的特性に及ぼす影響について最近のデータを加えて紹介する。
- セルロースナノファイバーについて
- 特性・性状
- 開発の現状
- これまでの取り組み
- カチオン変性セルロースナノファイバーによるポリマーの強化
– CNF/ポリアミド12及びポリアミド11の特性 -
- カチオン化処理
- 溶融混練押出
- 力学的特性
- 分散状態
- 開発A変性セルロースナノファイバーによる強化
– CNF/ポリオレフィン、ポリアセタールの特性 -
- 力学的特性
- 摺動性
- 分散状態
- 開発B変性セルロースナノファイバーによる強化
- 力学的特性
- 置換度の影響
- 置換度とモルフォロジー
セルロースナノファイバーと樹脂との相溶性の改善、複合材料の強度評価
(2015年6月12日 12:30〜13:50)
- ナノフィラーとしてのセルロース
- TEMPO酸化セルロースナノファイバー/ポリスチレン複合材料の力学物性
- 表面改質セルロースナノファイバー/ポリ乳酸複合材料の力学物性
- セルロースナノファイバーのポリ乳酸に対する結晶核剤効果
- まとめ
変性セルロースナノファイバーによるエポキシ樹脂の強化
(2015年6月12日 14:00〜15:20)
セルロースナノファイバーを変性 (化学修飾) する具体的な事例を紹介する。更に変性セルロースナノファイバーをエポキシ樹脂と複合化した際の変性の効果について述べる。
- セルロースナノファイバー (CNF) とは
- CNFの調製
- 変性CNFの調製
- CNFのエステル化
- CNFのアジド化
- CNFのアミノ化 (クリック反応)
- CNFのアミノ化 (Staudinger反応)
- 変性部分子骨格の異なるアミノ化CNFの調製
- 変性CNFとエポキシ樹脂の複合化
- エポキシ樹脂とは
- トランスファー成形による変性CNF複合成形品の作製
- シート積層成形による変性CNF複合成形品の作製
- 変性CNFと変性CNF複合成形品の評価
- 広角X線回折による変性CNFの結晶化度
- 変性CNF複合成形品の物性
- まとめ
ウッドプラスチックにおける セルロースナノファイバーの複合技術
(2015年6月12日 15:30〜16:50)
- ウッドプラスチックの特性
- ウッドプラスチックの概要
- ウッドプラスチックの性能
- ウッドプラスチックを取り巻く環境
- ウッドプラスチックの課題、展望
- 流動性の改善
- 凝集防止するコンパウンド手法
- 木質廃材を利用したウッドプラスチック
- セルロースナノファイバーのウッドプラスチックへの利用
- コスト的な背景
- 性能的な制約
- 間伐材の有効利用
- 具体的な実用事例紹介
- フィブリル化技術の応用