本セミナーでは、疾患特異的iPS細胞の作製法やその評価・解析系について解説し、特に毒性評価や薬物動態評価等の創薬研究への応用を目指した分化誘導肝細胞の作製技術の最新知見と課題について紹介するとともに、分化誘導肝細胞を用いた様々な応用について詳解いたします。
(2015年6月12日 13:00〜14:30)
皮膚・血液などの体性細胞から簡便に作製できる特性から、様々な疾患の患者由来のヒトiPS細胞が作製されている。これらの疾患特異的iPS細胞は、症状に関連した臓器の細胞へと分化誘導することで、原疾患の症状を試験管内で再現することができる。また近年のゲノム編集技術の進展によって、ヒトiPS細胞のゲノム情報を簡便に操作することで、疾患を制御する遺伝子の欠損・挿入・修復等を行った人為的な疾患特異的iPS細胞の作製やその治療が可能となった。
(2015年6月12日 14:40〜16:40)
ヒトiPS細胞から分化誘導した肝細胞を創薬研究や再生医療に応用するためには、高機能な分化誘導肝細胞を作製することが最重要である。しかしながら、ヒト肝細胞と同程度の機能 (薬物代謝能など) を有した分化誘導肝細胞を作製することは困難であったため、我々は肝細胞への分化誘導技術の改良を試みてきた。