本セミナーでは、加齢による心身機能の変化を解説するとともに、高齢ドライバーの運転対処行動に関する研究事例および運転行動の経年変化に関する研究事例を紹介します。また、それぞれのトピックスにおいて、インターフェース設計への適用方法について詳解いたします。
近年、運転支援システムの実用化が進みつつあり、様々な情報をドライバーは車内で利用することができるようになりました。日本では先進諸国に先駆けて高齢社会が進展しており、このような新しいシステムを高齢ドライバーが利用する機会が多くなります。高齢ドライバーでも運転中に利用できるようにするためには、加齢による心身機能の変化を理解して、適切なヒューマンインタフェースが必要不可欠です。一方、高齢ドライバーは心身機能の変化を自覚して、運転の仕方を変えている (運転対処行動) ことも知られています。この運転対処行動の存在が、高齢ドライバーに対する運転支援システムの開発の難しさの一つといえ、従来とは異なる運転行動の捉え方が必要です。