視線挙動および血圧にもとづくドライバ状態の推定、評価技術
愛知工科大学 荒川 俊也 氏
(2015年5月15日 10:00〜11:20)
今後の予防安全技術や自動運転技術を考えるにあたって、ドライバ状態検出・推定技術は非常に重要な位置付けになります。特に自動運転技術の導入に際しては、ドライバ状態を検出することでシームレスな制御に繋げられるものと考えられます。現状のドライバ推定技術と研究事例の紹介や解説を通じ、今後の技術開発の方向性に結びつけて頂ければ幸いです。
- 予防安全技術の高まり
- 交通事故死者数の動向
- 0次安全技術~周辺環境認識技術
- 0次安全技術~ドライバ状態検出技術
- 自動運転技術との接点
- 生体情報とドライバ状態検出
- 脳波による検出例
- 視線挙動による検出例
- 心拍による検出例
- 血圧による検出例
- それ以外の手法による検出例
- 視線挙動によるドライバ漫然状態推定
- 心拍によるドライバ疲労評価
- 血圧によるドライバ緊張状態評価と推定
- ドライバ状態検出・推定システムの試作例
- まとめ
着座センサによる入眠予兆の検知と眠気推定技術
(2015年5月15日 11:30〜12:50)
本講座では、ドライバ状態の検知、推定技術と運転支援システム、特に、着座センサーを用いた眠気推定法や入眠予兆検知装置の開発の過程、適用対象、信号処理方法、状態推定アルゴリズム等について、データと事例を交えて紹介する。
- ウェアラブルセンサーと眠気推定技術の概観
- シート脈波による入眠予兆
- 入眠予兆現象とは
- 居眠り運転防止シートの開発
- 着座センサーによる脈波の測定原理
- 脈波伝播シミュレーション技術
- 着座センサーの測定原理
- 入眠信号
- 着座センサーの構造
- 着座センサーの原理
- 信号処理アルゴリズム
- センサー設置位置と測定精度の関係
- 着座センサーの設置位置
- 眠気推定方法
- 主観眠気に基づくスリープスコアによる眠気推定法
- ベイズ推定を用いた眠気推定法
- 判別分析を用いた眠気推定
生体信号を用いた運転時の眠気検知技術と覚醒度向上
(2015年5月15日 13:30〜14:50)
心拍に同期する振動刺激による覚醒度向上技術は、振動により心拍と呼吸の位相が同期し、肺での酸素交換効率が高まり、結果として酸素飽和度が上昇することで脳への酸素量が向上し、眠気を緩和するものです。人の生理機能に適した、また、各個人に適合可能な新しい発想の技術です。併せて、実車への搭載を視野に入れて開発しているシートに組み込み容量結合型心電センサーの概要も紹介します。
- はじめに
- 覚醒度向上手法の先行事例紹介
- 眠気検出技術の先行事例紹介
- 心拍同期振動刺激による覚醒度向上技術の概要
- 酸素飽和度上昇による覚醒度の向上
- 心拍呼吸位相同期と酸素飽和度との関連
- 心拍位相同期について
- 心拍同期音による呼吸統制時の心拍呼吸位相同期の誘発に関する基礎実験
- 自動車運転シミュレータによる運転動作時の心拍同期振動による覚醒度向上効果の評価実験
- 生体信号無拘束センサーの開発
- シート埋め込み静電容量結合型心電センサー
- ウェアラブル脈波センサー
- 生体信号を用いた眠気判定手法
- 主観的疲労感と心拍変動指標との関連
- 心拍・呼吸時系列による眠気判定
- 心拍・呼吸指標を用いた機械学習による眠気判定
顔表情を用いたドライバの眠気検知技術
(2015年5月15日 15:00〜16:20)
居眠り運転による重大事故を撲滅するためには、ドライバの眠気検知技術と覚醒維持技術が不可欠である。本講座では、ドライバの眠気検知技術として顔の表情変化から居眠りの予兆である眠気を早期に検知する技術とその有効性について紹介する。非接触でドライバの眠気を検知する技術の構築プロセスを、脳波や顔面筋等の生体計測に遡って言及するとともに、将来の自動車システムの展望を示す。
- 眠気検知技術の起源
「他人の眠気は良く分かる」・・・ 眠気が表情に表れる現象の観察
- 眠気検知指標の仮説検証
表情から読み取れる眠気を生体計測によって科学的に検証
- 顔面筋計測による眠気表情の特徴探索
顔面 (表情) 筋の動きから眠気の特徴を抽出
- 画像解析による顔の特徴点計測
Active Appearance Model (AAM) を用いた眠気の特徴点抽出
- 眠気検知アルゴリズムの構築
パターン識別による眠気の6段階識別
- 眠気の検知精度検証実験
ドライビングシミュレータを用いた眠気誘発実験と眠気検知精度の検証
- 覚醒表情による誤検知への対応
アーチファクトと誤検知への対応事例紹介
- 顔表情検知技術の将来展望
ドライバの顔表情を捉えることで実現可能な将来システムの展望