(二軸) 押出機の (溶融) 混練技術の理論と実践 3カ月連続徹底解説セミナー

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本コースは、「押出機内の樹脂挙動の基礎および溶融混練評価と最適化」”:/node/15872と* 「 二軸スクリュー押出機における 混練分散の最適化とトラブル対策」* 「 二軸押出機の(溶融混練)分散品質スケールアップ」
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プログラム

Aコース:2015年6月26日「押出機内の樹脂挙動の基礎および溶融混練評価と最適化」

 二軸押出機・混練機やミキシングエレメントを有する単軸押出機を用いて高分子材料の混練がなされている。また、押出機・混練機内の材料挙動をシミュレーションにより予測する技術は年々進歩しており、実現象予測には制約も多くあるが、混練を含めた実際のプロセス設計、装置設計に応用されてきている。

  1. 背景
    1. 押出機・混練機の概要
    2. 計算機シミュレーションの必要性
  2. 固体輸送メカニズム
  3. 溶融部における高分子材料の溶融メカニズム
    1. 溶融プロセスの可視化
    2. 溶融理論
  4. 溶融混練部の混練メカニズム
    1. 分配混合と分散混合
    2. 伸長流動の重要性
    3. ポリマーブレンド・コンポジットの混練理論
    4. 押出機・混練機と溶融混練理論の関係
  5. 単軸スクリュ押出機内の溶融混練
    1. 溶融混練理論とミキシングスクリュの関係
    2. 新規装置
  6. 二軸混練機・二軸スクリュ押出機内の溶融混練
    1. 溶融混練理論と二軸混練機・スクリュ押出機の関係
    2. 溶融混練に付随する問題と対策
    3. 新規装置
  7. 実験による混練評価
    1. 既往の評価実験の例
    2. 最近の計測技術の研究例
    3. 各種実験の利点と問題点
  8. 計算機シミュレーションによる材料挙動の予測
    1. 計算機シミュレーションの利点と問題点
    2. 固体輸送部のシミュレーション
    3. 溶融部のシミュレーション
    4. 溶融体輸送部のシミュレーション
  9. シミュレーションによる混練評価
    1. 分配混合指標とその考え方
    2. 分散混合指標とその考え方
    3. 各種評価指標を用いた研究例
  10. スケールアップとシミュレーション
    1. スケールアップの一般論
    2. シミュレーションによるスケールアップの研究例
  11. 今後の課題

Bコース:2015年7月24日「 二軸スクリュー押出機における 混練分散の最適化とトラブル対策」

 単軸押出機と二軸押出機の違い (構造、操作) を初心者でも容易に理解出来るように数式をほとんど使わず、経験を基に説明したい。

  1. スクリュー式押出機の種類
    1. 押出機の歴史 (国内及び国外)
    2. 押出機の種類 (単軸・二軸・特殊)
  2. 単軸押出機の構造と種類
    1. 単軸押出機の構造
    2. 標準単軸スクリューの考え方
    3. フルフライトタイプのスクリュー
    4. ミキシングタイプのスクリュー
    5. 特殊ミキシングタイプのスクリュー
  3. 二軸押出機の構造と種類
    1. 二軸押出機の構造
    2. 二軸スクリューの原理と効果 (同方向。異方向)
    3. 二軸スクリューの噛み合いと形状
    4. 二軸スクリューの種類
    5. 二軸シリンダーの種類と効果
  4. 二軸押出機における混練・分散の考え方とその技術
    1. スクリュー形状と混練・分散の関係
    2. 混練・分散の適切条件
    3. 滞留時間の適切化と最適な運転条件
    4. ミキシングスクリューブロックの種類と溶融樹脂の充満率
    5. 混練時の回転、温度、圧力の関係
    6. 混練時の樹脂温度の制御技術
      1. 単軸押出機の樹脂温度分布
      2. 二軸押出機の樹脂温度分布
    7. フィラー添加量に対する樹脂温度の変化
    8. スクリュー冷却効果
  5. 二軸スクリュー押出機内の樹脂流動挙動
    1. 静的シリンダー内の観察 (単軸と二軸の比較)
    2. 動的シリンダー内の観察 (常温での液体使用)
    3. 動的シリンダー内の観察 (高温での固体使用)
      1. 溶融の進行観察 (粘度の違い)
      2. シリンダー内の溶融樹脂の切り替わり (パージ効果)
      3. ミキシングスクリューの強弱・回転速度の大小と混練性
  6. 二軸スクリュー押出機におけるスケールアップの考え方
    1. 単軸スクリュー押出機におけるスケールアップ
    2. 二軸スクリュー押出機におけるスケールアップ
  7. 二軸スクリュー押出機における運転条件について
    1. プラスチック材料に添加剤を混ぜる方法
      1. 溶融しない添加剤を混ぜる方法
      2. 耐熱性の低い溶融しない添加剤を混ぜる方法
      3. 溶融する添加剤を混ぜる方法
    2. シリンダー温度設定の仕方
    3. シリンダー及びスクリューの摩耗・腐蝕
    4. 粘度とスクリュー形状の関係
      1. 低粘度溶融 樹脂とスクリュー 形状の関係
      2. 中粘度溶融 樹脂とスクリュー 形状の関係
      3. 高粘度溶融 樹脂とスクリュー 形状の関係
    5. 粘度と造粒装置の関係
      1. 低粘度溶融 樹脂と造粒装置関係
      2. 中粘度溶融 樹脂と造粒装置関係
      3. 高粘度溶融 樹脂と造粒装置関係
      4. 特殊な処理装置の例
      5. PVC径コンパウンドの混練 (二軸押出機)
  8. スクリュー構成の組み合わせの考え方・事例
  9. その他トラブル要因と解決策例
    1. 押出条件の再現性
    2. ベントアップ
    3. サージング現象
    4. 微粉の混合
    5. 金属カジリ現象
    6. 目やに
    7. ストランドの安定化
    8. その他

Cコース:2015年8月5日「 二軸押出機の(溶融混練)分散品質スケールアップ」

 講演者は30年あまり、品質のスケールアップが一義的にできる分散技術を研究してきた。スケールアップには「挙動のスケールアップ」と「品質のスケールアップ」がある。前者の解析は割合容易であるが、後者は難物である。100有余年のせん断混練操作の歴史で、なかなか正解が得られていない。今の業界では、二軸押出機に代表されるせん断力応用機種がほほ100%用いられているが、せん断分散は分散過程に不均一性を内在しているためである。せん断応力、せん断歪に代表される、品質に関わる種々の物理量をもってしても、分散品質と1:1に対応しない。混練操作を通して、これらの物理量が平均値としてしか解析できないためで、各部分でレベルの違う分散過程があり、これが全体に混ざり合う分散作用では、不均一挙動になるのが当然と思われる。このような現象には緩和則を用いて、当たらずとも遠からず (すごく近い) のスケールアップ則を実現する手法が用いられ、品質予測が割合容易にできる技術を紹介する。実際の分散作用に関して、破砕分散、分配分散を含むスケールアップに関与するせん断分散作用をまず理解いただく。最近の傾向としてメルトフラクチャーを有効に分散に利用する技術も紹介する。最近話題の伸長流動分散作用に関しても理解いただく。後者は不均一性の少ない分散形態である。これらの混練形態において、スケールアップの手法を考察する。一方、スケールアップが必要でない分散操作をいくつか紹介する。これらの技術の応用として、最近の傾向であるナノ分散は、こうした不均一性の存在しない、スケールアップが容易な技術に裏打ちされなければなかなか実現できない。

  1. 材料強度と分散性
    • プラスチック材料強度の2面性 (曲げ剛性と衝撃強度)
    • 20年前ごろまでは3元樹脂混練技術で対応
    • 現在では、無機物のナノ分散技術で対応
    • 分散される凝集粒子の特性と凝集破壊の特性
    • コンパウンドにおけるナノ分散が材料強度に大きく貢献
    • 無機ナノ粒子による強度補強理論
    • ポリマーアロイにおけるナノ分散が材料強度に大きく貢献
    • 他ポリマーナノ粒子による強度補強理論
    • 非分散粒子を最適に分散するために最適なせん断応力が存在する
    • マッケルビーの2粒子破砕理論と橋爪の回転粒子破砕理論
  2. メルトフラクチャーの分散性
    • メルトフラクチャー発生現象
    • 高分子材料をせん断破砕する解析
    • Slip Line (2次元) 、Slip Cone (3次元) となる滑り面の発生
    • 2ロール上の樹脂に現れるSlip Lineと各樹脂の特性
    • 平行平板レオメータ上の樹脂に現れるSlip Lineと各樹脂の特性
    • 層流とメルトフラクチャーにおける流線の解析 (分散特性)
    • メルトフラクチャーの分散のメカニズム
    • 破砕分散特性と分配分散特性
    • 実機上の樹脂に現れる混練。分散特性
    • メルトフラクチャー分散の効率
  3. せん断流動分散操作では、なぜ品質相似実験ができないか
    1. スケールアップ
      • 挙動の相似と品質の相似
      • 高分子分散で分散品質に係わる相似則が応用できない理由
      • 緩和則の理解と応用
      • 有効混練時間の考え方
      • 分散パラメーターとこれを緩和則へする応用技術
      • 従来の分散パラメーターと新しい分散パラメーター
      • 解析要因のα1、α2の解析の実際
      • カーボンブラック分散での応用例
    2. α1、α2解析法を用いた二軸押出機の操作特性
      • せん断品質平面の表示と品質等価曲線
      • 各種材料に対する品質等価曲線の特性
      • その法則から外れる材料特性 (たとえばCB)
    3. せん断流動分散の不均一性を補う緩和則の実際
      • 混練の有効時間に寄与する要因
      • T関数の解析と応用
      • 真空混練技術
  4. 伸長流動分散
    1. 伸長流動分散理論
      • せん断流動分散と新超流動分散現象の違い
      • Utrackiの2相液体における伸長流動分散理論
      • 橋爪の2相液体における伸長流動分散理論
      • 均一分散の実際
      • 分散粒子変形における粒子切断条件
    2. 伸長流動分散の応用
      • Capillary numberの応用
      • せん断流動分散と伸長流動分散の適応領域
      • 両流動共存流動の場合
      • Nylon中へのHDPE分散への応用
      • 2種エラストマー分散への応用
      • 伸長流動ダイ (EFM, EFDM) と伸長流動スクリュー
      • 伸長流動スクリューでのHDPE中へUHMWPEの分散
  5. ナノ分散技術
    1. 無期ナノ分散が得られる5方法とその評価
      • In situ法
      • 層間挿入法
      • 高せん断法 (産業技術総合研究所)
      • Melt Solution法 (アメリカでのGrapheneの分散)
      • スラリー分散技術 (橋爪)
      • 詳細メカニズムの紹介
      • ナノ分散の実際
    2. 均一分散か否か
  6. 完全均一分散技術の例:長繊維ペレット成形技術の実際
    • 全く新しい分散概念 (非せん断流動分散、非伸長流動分散)
    • PPGの物性、曲げ剛性と衝撃強度を同時達成
    • アスペクト比の大きい繊維を残すFRTP応用技術
    • 自動車部品への応用
    • 世界1000億円市場への展開

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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