第1部. 承認審査の迅速化と薬価の側面からみたコンビネーションプロダクト開発
(2015年5月25日 10:00〜11:30)
- はじめに
- 投与デバイスによる薬剤の費用対効果と薬価補正加算の傾向の理解
- これまでの保守的な考え方ではいけないという認識が出てきた
- 正しい方向を企業が見定めることが求められている。
- 当局の情報源は企業である
- 企業自らが考えなければ薬価補正加算の意義が分からない
- 決める行政から考え方を考える行政へと変わりつつある
- 投与デバイスによる薬剤の費用対効果の議論が盛んとなった経緯と今後の傾向
- 費用対効果と薬価補正加算の可否
- 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会の設置された背景
- 山中効果による、全省庁をあげて立案したイノベーション国家戦略・政策
- 再生医療ではデバイスがなければ、治療できない
- 医薬品のある領域では必須であることが認識された
- 日陰者で煙たい存在であった投与デバイス
- 画期性加算が主で有用性加算は従という扱いが変わりイノベーションが主になる
- ターゲット部位への直接投与は、治療コストを著しく低減し、治療数と治療対象を著増する
- 日本のイノベーション政策と厚労当局の考えが変わる
- 医療関連分野におけるイノベーションの一体的推進
- 薬価補正はイノベーションに従う
- 8つの重点領域と世界最先端の医療の実用化の推進と医薬品
- 医療機器・再生医療製品の承認審査の迅速化
- コンビネーションプロダクトに関し日本の当局は15年以上遅れている
- 日本は薬価補正加算制度が障害
- 差別化できる独自のコア技術をもつ企業が多数存在したが開発が行われなかった
- 利益集団の医師会は反対
- 投与デバイスからコンビネーションプロダクトへの開発の方向
- キット加算に対するコンビネーションプロダクトの訴求点と開発するメリット
第2部. 製品化を目指した医工連携のポイントと製品開発事例
(2015年5月25日 11:30〜13:15)
医療機器の品質・有効性・安全性を守るため、薬事審査と市販後調査が行われる。学会専門家の協力による新医療機器のガイドライン制定によって、開発と審査の時間が大幅に短縮された人工心臓の例を紹介する。また今般、薬事法改正が行われ、医療機器と再生医療製品が表舞台に立つことになった。医療機器は、機器と使い方の両面を評価する必要があり、承認時の時点での科学的知識で審査し、市販後に改良されるものが多いことも特徴であり、人工心臓における実例を示す。
- 医療機器の有効性と安全性
- レギュラトリーサイエンス
- 人工心臓の種類
- 血液適合性の工学評価
- 模擬血栓試験と動物試験
- 医療機器の特性を踏まえた評価
- 医療機器開発ガイドライン・評価指標
- 薬事法改正
- 神戸大学における研究開発
第3部. コンビネーションプロダクトガイドラインからみる今後の展望と製品開発
(2015年5月25日 14:00〜15:30)
政府の成長戦略にもとづき、コンビネーションプロダクト認可のガイドライン案作成が行われている。本講演ではコンビネーションプロダクトガイドライン案作成の現状と、骨補填材におけるコンビネーションプロダクトに関して紹介する。
- 骨の機能と骨の特徴 (骨リモデリング)
- 骨欠損再建術 (歯科インプラントを含む)
- 自家骨、他家骨、他種骨、人工骨
- 人工骨補填材の種類と性質
- 炭酸アパタイト
- 骨補填材へのコンビネーションプロダクトの必要性
- 再生医学
- 骨補填材への薬物修飾
- 骨補填材からの薬物溶出
- コンビネーションプロダクトの有用性
第4部. コンビネーションプロダクト (脳動脈瘤塞栓コイル) の開発事例
~すでにある薬を使ったコンビネーションプロダクト。既存の物の組み合わせで開発時間を短縮~
(2015年5月25日 15:45〜17:15)
医療行為の約半分は薬物治療と言われており,医学の発達とともに多くの薬剤が開発されてきた。より効果を得ようと新薬の開発競争が進んでいるが,莫大な予算を掛けているにも関わらず実際に臨床応用される例はわずかである。しかし既存の薬剤には多くの実施例がありさまざまな薬効がある。これらの薬効を上手く利用できないだろうか?すでに目の前に数え切れないほどある薬を使えないだろうか?このような考えを元に始まった「安全性の確立した既存の薬剤と治療法として確立した医療機器を組み合わせた脳動脈瘤塞栓コイル」について紹介する。
- 寝たきり患者の原因、第一の脳卒中
- くも膜下出血の治療方法と現状
- 特許の切れた薬から、新たな使い方を見つけよ
- 0から1を生み出すのは天才の仕事、凡人は1から1´を目指せ
- 既存の物の組み合わせで開発期間を短縮
- 最も納得してもらえる効果的なキーワードは“前例“
- 実験室から工場レベルへ試練が続く
- 曖昧な医学常識の上に成り立つ、医療機器
- 分子生物学レベルでどこまで分かるのか?分かるべきなのか?
- 日本初の医療機器デバイス開発を目指して