第1部 :
日局16改正を見据えた微生物試験法実施のポイントと国際調和の動向
趣旨
三極薬局方の国際調和は、1990年からPDG (薬局方国際調和会議) で展開されている。一方、ICH Q4Bで各規制当局による相互承認が進められている。
微生物関連試験法は、日局15から日局16改正案で、「微生物限度試験法」及び「無菌試験法」はICH地域において相互利用が可能となり、また、「エンドトキシン試験法」はICH Q4Bでステップ2になっている。
これらの試験法を中心に、製造環境の微生物管理に必要な「製薬用水の微生物モニタリング」及び「無菌医薬品製造区域の微生物評価試験法」を含めてこれらの試験実施上の留意点を解説する。
プログラム
- はじめに
- 医薬品の品質規格に関する国際調和
- 医薬品の微生物試験法の国際調和
- 無菌試験法
- 無菌試験の目的と限界
- 無菌試験法の国際調和の経緯
- 無菌試験実施上の微生物汚染に対する予防措置
- 無菌試験の培地及び培養温度
- 無菌試験用培地の適合性
- 無菌試験手法の適合性試験
- 製品の無菌試験
- 無菌試験の観察と結果の判定
- パラメトリックリリースについて
- エンドトキシン試験法
- エンドトキシン試験法の制改正経緯
- エンドトキシン試験法の目的
- エンドトキシン試験法の適用対象
- 日局15の非調和部分の調和案 (日局16原案) について
- 微生物限度試験
- 微生物限度試験の国際調和の経緯
- 国際調和における主な改正点
- 製薬用水の品質管理
- 製薬用水の日常的管理、定期的管理
- 製薬用水のサンプリング
- 警報基準値と処置基準値
- 製薬用水の微生物モニタリング
- 製薬用水の生菌数評価法
- 無菌医薬品製造区域の微生物評価試験法
- 環境微生物のモニタリング
- 環境微生物のサンプリング方法
- 環境微生物の生菌数試験法
- 環境微生物の性状検査
- 環境微生物試験法のバリデーション
- 環境微生物の評価基準と運用管理
- 今後の課題
第2部 : 微生物管理における3極およびPIC/S GMP要件の比較
趣旨
GMPの実施と微生物管理は密接な関係があります。
微生物の管理は、1) 設備、プロセスのバリデーションに始まり、2) 日常の製造工程の管理、3) 製品、原材料の微生物汚染の管理、4) 無菌製品の無菌性の確保、非無菌製品にあっては菌数の管理の観点から、GMP実施のうえで極めて大きな役割を果たしています。
ICHの進展や科学技術の進歩を受けて、第15改正日局では、微生物に関する規定が大幅に改訂、整備されました。また最近は、微生物管理の重要性が十分に理解され、公的な基準の制定、改訂も、種々な基準により行われている。
国際的には各種微生物試験法は、日米欧薬局方検討会議 (PDG) で国際調和作業が行われており、ICHの場でも日米欧3局方の微生物関連の調和が図られている。
以上の微生物管理の動向を踏まえて、3極及びPIC/S GMP要件の比較について解説します。
プログラム
- 医薬品品質保証、GMPと微生物汚染管理の意義
- GMPにおける微生物管理のポイント
- 日本薬局方及び国際基準の改定
- 微生物試験で対象とする微生物とは何か
- 無菌製剤の微生物汚染管理の留意点
- 非無菌製剤の微生物汚染管理の留意点
- 微生物限度試験法による特定微生物の試験
- 微生物試験法及び工程管理の基準について留意すべきこと
- 試験結果の解釈
- 再試験の運営と考え方
- 滅菌法及び滅菌操作法
- GMPの規定と微生物管理基準及び汚染防止の方法
- GMPの規定と微生物管理基準
- 微生物汚染防止の方法
- 医薬品の品質保証とバリデーション
- バリデーションの考え方及びGMPの規定
- バリデーションのステップ
- 滅菌条件の設定
- 滅菌法のバリデーションで必要な項目
- 試験法のバリデーション
- 微生物の回収率測定のためのバリデーション
- バリデーションの手順
- 消毒手順のバリデーション
- 製薬用水の微生物管理