本セミナーでは、製剤設計戦略の基礎から解説し、開発の各フェーズにおいてどのような製剤を設計し、どのような治験薬を臨床試験に提供すべきなのかをプレフォーミュレーションで得られた情報を基に組み立てることを議論いたします。要は開発段階において製剤設計の一貫性を担保しつつ、かつ効率的にそして処方及び剤形変更のリスク軽減しうる製剤設計の実践について解説いたします。
(2015年5月26日 10:30〜13:00)
新有効成分の創薬から製造承認販売まで、有効性とともにヒトにおける安全性を予測するための毒性試験の役割は大きい。特に、探索 (創薬) 、候補化合物の安全性による選別、GLP試験を主体とした申請段階における臨床試験成績との同等性と相違点の検討を行う。しかし、初期の段階で有効性と安全性から候補化合物として期待されても、原体の安定性、溶解性等の品質、選択性や副次の薬理作用、吸収、分布や代謝、排泄に係わる動態、全身曝露や局所への投与経路等の毒性による課題を抱えることは珍しくない。
一方、課題により開発が延期となった化合物でも、添加物との処方、品質や動態、投与経路の見直しにより、新たな有用性を得て、承認される新薬にも出会う。これらの場合、種々の原因と対処が考えられるが、疾患対象と薬理作用、動態、投与経路の特徴を加味した製剤により復活承認される事例が明らかとなっている。一般的なスクリーニングによるアトリションによる創薬・開発手順以外に、今回は、復活事例を検証して、その見直し (再評価) 手法を解説しますので、ご参加ください。
(2015年5月26日 13:50〜16:30)
新薬開発のキーポイントは確実性 (リスク管理) とスピードです。その意味において開発段階における生物学的同等性試験の実施するような状況は出来うる限り回避しなければはなりません。一方、開発が進むにつれて処方変更は必ずと言っていいほど生じますし、時には剤形変更までも必要になります。そこで各開発化合物ごとにきめ細かい製剤開発戦略を立案するこが大変重要になります。
ここではまず製剤戦略はどのように立てるのか、即ち開発処方と最終処方はどうあるべきかを論じます。また、開発が進むにつれての処方変更、剤形変更にともないどのようなリスクヘッジを打っていかなければならないのか、主に薬物の特性とBEリスク回避 (保証) の観点から解説を加えていきます。