サイクリックボルタンメトリにおける基礎原理と測定ノウハウ

電気化学測定においてサイクリックボルタンメトリが最もよく用いられるのは、簡単な測定法にも拘わらず、試料の様々な電気化学特性が評価できるためである。しかし、実際にはサイクリックボルタンメトリの持つ能力の一部しか利用されていないことが多い。本講義では、その基礎を直感的に分かる様に解説し、また教科書には載っていない測定時のノウハウを紹介する。

1. 電気化学の基礎
   1. 基礎中の基礎 電位と電流の意味
   2. ネルンストの式を理解する
   3. 正極・負極・陽極・陰極? もっと簡単な呼び方
   4. +と-だから二電極でいいのでは? なぜ三電極系を使う?
   5. 作用電極・参照電極・対電極
   6. 作用電極への印加電位を変化させるということ
   7. 最も簡単な電極反応・複雑な電極反応の進み方
   8. 電極反応を理解するために 電子移動律速・物質移動律速
2. サイクリックボルタンメトリ (CV)
   1. CVとは
   2. CVから分かること
   3. 可逆系・準可逆系・不可逆系 電子移動速度
   4. 化学反応をともなう電極反応のCV 先行化学反応-電極反応、電極反応-後続化学反応等
   5. 電極に吸着した物質・膜のCV
   6. 電極・電解セルの選択
   7. 溶媒・電解質の選択
   8. 除酸素法 酸素による妨害
   9. 電位掃引方法
      • 掃引開始電位
      • 折返し電位
      • 掃引速度
      • 掃引回数
   10. データ解析法
       • ピーク電位・ピーク電流値の求め方
       • ピーク電流 vs 掃引速度のプロット
• 質疑応答