固体材料の熱伝導性を測定・評価する方法には様々なものがあり、熱伝導率・熱拡散率を的確に得るためには測定方法の原理と特徴を考慮して、目的に合った測定方法を選択し、使いこなす必要があります。
まず基礎として、熱物性値・熱特性値や代表的な測定方法の原理と特徴を解説し、それらの応用である評価技術も紹介します。次に測定装置の適用範囲の見極め方、選択する際に検討すべき事項を提案し、不確かさ評価例を説明することで、測定結果をどのように理解するか、熱伝導率・熱拡散率の測定技術をどのように使いこなすかについて考察します。
- はじめに
- 熱伝導に関連する物性値・特性値の定義
- 熱伝導率・熱拡散率測定方法の原理と特徴
- 測定方法の分類
- 定常法による熱伝導率測定
(保護熱板法、熱流計法、定常比較法など)
- 非定常法による熱拡散率測定
- パルス加熱法の原理と応用 (レーザフラッシュ法など)
- 周期加熱法の原理と応用 (光交流加熱法、スポット周期加熱法など)
- ステップ加熱法の原理と応用 (非定常細線加熱法など)
- 応用としての熱拡散率評価方法 (こんな評価も可能です)
- 試料調整の工夫による適用範囲の拡大
- 分布測定・異方性の評価
- 測定方法の選択と測定結果の信頼性
- 測定方法の適用範囲
- 測定方法の選択における留意点
- 測定方法の特徴の視点から
- 測定対象の材料の視点から
- 測定結果の信頼性評価
- 標準物質や測定規格の利用
- 不確かさ評価の例 (レーザフラッシュ法の場合を例として)
- 信頼できる結果を得るための留意点
- まとめ