本セミナーでは、ここ1、2年急激に変化している自動車を取り巻く通信インフラ環境、その流れの中益々重要度を高める車載カメラの市場動向、そして今後のカメラモジュールに必要な性能・仕様について解説いたします。
2007年「携帯電話の再発明」のコンセプトで登場したスマートフォンは、民生用クラウド・コンピューティング環境を確立した。そして、その本格化が進む中、OSの覇権争いは自動車に飛び火し、2014年にアップル、グーグルが車載用Infortainment OSをリリースし、それぞれアライアンスを発足させた。その結果、Buzz Word化しつつあった「コネクテッド・カー」が現実味を帯び、さらにその進捗を加速する状況になっている。 一方、日本発のASV (先進安全自動車) コンセプトの中の「ぶつからない車」の話題性が世界的に高まる中、法制化によりFront View、Back Viewカメラの世界的本格搭載が始まったことと絡み、ADAS (先進運転支援システム) の普及が急進している。ADASではカメラモジュールの果たす役割が非常に高いため、カメラ市場規模は今後急拡大すると見込まれている。コネクテッド・カー、ADAS、その本格化の先に見えるのは、自動運転車の実現である。GPSによる位置情報、現在地の確定精度を高める電子地図情報、そして「つながる」ことにより集約されたプローブ情報から得られるリアルタイムの道路情報、ADASによる「ぶつからない車」これら技術の集大成により自動運転車の走行性能がより高まっていく。その普遍化にはカメラ機能始め多数のセンサの自動車への搭載が必須である。そして、その先に見えるのは、全てのものがインターネットにつながる「IoT社会」の実現である。その時点では、カメラは「それぞれの“もの”の眼」としてより重要性を増す。その時点で最も重要な特性は「低コスト」の実現である。コストをドラスティックに低減できるカメラモジュールの開発・製造技術がIoTの本格化を左右するのである。