(2015年4月22日 11:00〜12:15)
アトピー性皮膚炎の治療の多くはステロイド,カルシニューリン阻害剤などの外用剤によってなされているが,いまだ重篤な痒みに悩まされる患者は少なくない.本講では,アトピー性皮膚炎治療薬開発に携わった経験から,掻痒評価を含めた皮膚炎モデル動物の選定及び作成方法、評価方法について各モデルの特徴と合わせて解説する。(2015年4月22日 13:00〜14:30)
本邦に約40万人のアトピー性皮膚炎 (atopic dermatitis; AD) の患者がいるとされる。ADは慢性的にかゆみを伴う皮膚疾患であるが、その背景として湿疹ができやすい体質があることが知られている。体質としては、乾燥した皮膚が候補因子と考えられていたが、充分な解析がなされていなかった。ところが、2006年にADの有病率とフィラグリン遺伝子の相関関係が指摘されたことで、皮膚のバリア機能を免疫とのクロストークが注目を集めることとなった。 アトピー性皮膚炎の約20-30%の患者にフィラグリン遺伝子の変異が認められる。アトピー性皮膚炎の患者の多くにフィラグリン蛋白の発現低下が認められていることより、フィラグリンの発現制御はアトピー性皮膚炎の新たな制御戦略の可能性を有することが示唆される。本セミナーではフィラグリンをターゲットとしたADの新しい治療戦略について、我々の研究を踏まえながら、聴講者の皆様と模索したい。(2015年4月22日 14:45〜16:15)
実際に臨床現場で行われているアトピー性皮膚炎の診断、治療、かゆみへの対策について解説を行う。アトピー性皮膚炎の病態に基づいた新規治療法も紹介し、今後の治療薬開発についてご参加の皆様と模索したい。