第1部 単眼ヘッドアップディスプレイの開発と視認性、安全性の向上
(2015年4月8日 9:45〜11:00)
ヘッドアップディスプレイ開発のポイントは、奥行き制御と広視野化である。
本講座では、それらを解決できる新しい方式として、単眼ヘッドアップディスプレイ技術を提案し、開発を行った結果について講演する。とくに、自由にナビすることが可能な100m先まで奥行き感を制御することができる動的遠近法と、フロントウインド全面に表示可能なフレネルミラー方式について解説する。
- 背景
- ヘッドアップディスプレイの市場動向
- ヘッドアップディスプレイの課題
- 単眼ヘッドアップディスプレイ技術
- 原理:なぜ、単眼でも視認性が高いのか?
- 奥行き制御方式:単眼で奥行きが制御できるのか?
- 広視野化技術:フロントウインド全体への表示
- 試作機の開発と性能評価結果
- 奥行き性能:100m先まで制御可能
- 広視野化
- 注意広がり特性評価結果
- 長時間疲労評価:両眼より疲れない?
- 注意広がり評価:注意が広がる?
- 質疑応答・個別質問・名刺交換
h4. 第2部 フルグラフィックスメーターの開発とHMI技術、求められる要件
(2015年4月8日 11:10〜12:25)
世界で初めて12.3インチ大型、高精細ディスプレイを量産化し、現在も尚、業界をリードして開発を続けている弊社にて、長く第一線で開発を推進してきた経験を通して、若い技術者および各サプライヤ様のスキルアップおよび開発の方向性を決定する一助となれば幸いです。
- フルグラフィックスメーター開発の歴史
- カラー液晶の登場から最新HD解像度フルグラフィックスメーターに至るまで
- フルグラフィックスメーター搭載状況
- システム構成と開発要件
- ディスプレイ開発の経緯と今後の開発ロードマップ
- CPU、GPUの変遷とモジュールの進化
- ソフトウエアフレームワークの変遷とHMIツール
- フルグラフィックメータプロジェクト
- トヨタ自動車 クラウンハイブリッド
- 現代自動車 EQUUS
- フルグラフィックスメーターの現状
- 今後の課題
- 求められる性能
- システム構成
- HMIツールおよびソフトウエア開発プロセスへの取り組み
- まとめと未来の表示
第3部 ヘッドアップディスプレイの人間工学評価と表示情報の最適化
(2015年4月8日 13:10〜14:25)
- へッドアップディスプレイとは
- 自動車における重要な設計変数
- 表示装置の優位性評価
- 表示像距離と俯角
- 現実設計での選択
- 輻輳応答の挙動
- まとめと今後の展望
第4部 人間中心で考える自動車のコクピットHMI
(2015年4月8日 14:35〜15:50)
自動車のコクピットにおいて、人とクルマの接点となるHMIデバイスに関する要素技術には様々なものがある。この分野では、魅力的な商品としての価値を訴求する一面もあるが、その前に安全に安心して使えるHMIの開発を人間中心に考えて進めることが重要である。人間が正しく認知/判断/操作を行うために必要な要素技術ニーズについて紹介する。
- クルマの安全とは
- クルマが進化する方向
- 今後のコクピット機能と果たすべき役割
- 人間中心で考えるHMIとは
- 将来のコクピットにおけるHMIデバイス技術
第5部 車載ディスプレイの使用に伴うメンタルワークロードの二重課題法による測定と評価
(2015年4月8日 16:00〜17:15)
ドライバーに提供できる情報が増えるにつれ、提供情報量とドライバーの情報処理能力のバランスをとることが重要な課題となります。この問題に取り組むうえでメンタルワークロードの概念と測定手法は重要なものとなります。
本講座では、メンタルワークロードの概念を、その背後にある心理学的概念と合わせて説明するとともに、実施は容易だが理解しにくい二重課題法に基づいたメンタルワークロード評価法について解説します。
- メンタルワークロードの概念
- 測定の目的
- 精神負荷
- 精神負担
- 内部負荷
- 外部負荷
- 心理学的な注意概念
- 人間情報処理
- 選択的注意
- 分割的注意
- 注意資源
- 二重課題法による測定法
- 二重課題法タイプ
- 刺激検出法
- 有効視野測定
- 二重課題法の限界
- 主観評価による測定法
- NASA-TLX
- メンタルワークロードチェックリスト