プラスチックやゴム等の高分子材料に使用される各種添加剤の種類と役割について、高い頻度で使用される添加剤を中心として紹介する。
材料中には多種の添加剤が様々な濃度で添加されており、それらの定性・定量を行うには適切な前処理と分析方法を選択する必要がある。目的とする添加剤、高分子の種類、分析目的に合わせた前処理方法について解説するとともに、機器分析技術の原理や分析方法を具体例を交えて述べる。また、よく使用される高分子材料添加剤の中でも分析困難な物質として知られるヒンダードアミン系光安定剤 (HALS) について、汎用的な機器により分析した例を解説する。
- 高分子材料用添加剤概論
- 添加剤の役割
- 添加剤の種類
- プラスチック用添加剤
- ゴム用添加剤
- 添加剤の分析方法
- 分析のための前処理
- 有機添加剤の分析方法に関する基礎知識と分析事例
- ガスクロマトグラフィー (GC)
~カラム、検出器の選択、試料導入方法や誘導体化方法~
- 液体クロマトグラフィー (HPLC)
~カラム、測定モード、検出器の選択方法~
- 質量分析 (MS) 法
- 薄層クロマトグラフィー (TLC)
- フーリエ変換赤外分光 (FT-IR) 法
- 核磁気共鳴 (NMR) 法
- 局所分析方法 ~X線光電子分光、飛行時間型2次イオン質量分析法など~
- 無機添加剤の分析方法と分析事例
- 元素分析
~電子線マイクロアナライザー (EPMA) 及び蛍光X線分析 (XRF) 、誘導結合プラズマ発光 (ICP) 法の目的、特徴、前処理について~
- X線回折 (XRD) 法
- 熱重量測定 (TGA) 法によるゴム中の無機充填剤の定量
- 応用分析事例紹介
- ヒンダードアミン系光安定剤 (HALS) の分析例
- 添加剤の変質を原因とする製品変色の分析例