(2015年3月25日 11:00〜12:30)
従来技術に比べて省エネルギー・低環境負荷・省資源で、生産性高く大面積のデバイスを高効率に製造できるものとして、印刷技術を駆使したプリンテッド・エレクトロニクス技術が期待されています。溶媒中に金属ナノ粒子などが分散した複合材料を用いて、インクジェット描画など多種多様な印刷で、微細な機能パターンの形成が可能になり、ディスプレイ、有機系太陽電池、有機EL、フレキシブル部材などの製造プロセスになるものとして実用化が進められています。微細回路形成用の銅系ナノ粒子分散液に求められる要件としては、高濃度にしても、高分散性・高安定を維持し、微細パターンに印刷できることです。次に、基材の耐熱温度以下の低温度でも容易に導体膜にでき、更に表面抵抗を小さくするための厚膜にもできることです。これを満たす材料として銅があります。貴金属に比べて、資源量の制約が小さく、高導電性でマイグレーションも小さいという長所があるが、酸化しやすい欠点があります。保護剤フリーの分散液中で長期間、分散維持できる金属系ナノ粒子分散液を開発してきました。この開発技術を基礎にして、酸化することに着目して、高濃度の亜酸化銅ナノ粒子分散液を開発しました。
(2015年3月25日 13:15〜14:45)
主にインクジェット用金属ナノ粒子インクを想定し、ナノ粒子の合成法から分散、インク化、インクジェット用インクに要求される特性 (吐出性、基材への濡れ性など) などついて解説します。また、現在検討中のコアシェル粒子インク (樹脂コアに貴金属をコートした粒子) についても紹介させて頂く予定です。
(2015年3月25日 15:00〜16:30)
金属銅ナノ粒子は、優れた電気伝導性及びナノ粒子化による融点降下を利用した低温焼成化の特徴から、銅ナノ粒子インクを用いた電子回路基板の直接印刷技術への適用が期待されている。一方、銅ナノ粒子は酸化されやすいという欠点があり、長期間にわたる分散安定性・耐酸化性の高い銅ナノ粒子インクが求められている。銅ナノ粒子は主に有機溶媒を用いたポリオール法などにより合成されているが、講演者らは、水の超臨界状態をナノ粒子の反応晶析場として利用する超臨界水熱合成法に着目し、これまでは種々の金属酸化物ナノ粒子合成が多数報告されてきたが、超臨界水が水素ガスと均一相を形成し、還元場となることから金属ナノ粒子の合成へ適用を試みた。 本セミナーでは、既往の銅ナノ粒子合成法を概説した上で、ナノ粒子の連続合成が可能な流通式超臨界水熱合成法による金属銅ナノ粒子の合成及び合成した銅ナノ粒子の溶媒中での分散安定性及び耐酸化性の評価さらにナノ粒子インク化への試みについて解説する。