今、新興国の企業は日本企業の経営や技術を徹底して研究し、そこから学び、それまでリードしてきた日本企業を追い上げ、 既に多くの分野で日本企業を凌駕する状況が生まれています。日本企業が、欧米企業はもとより、このようなますます厳しくなる新興国の企業との競争に勝つためには、研究開発においても同じ土俵で研究開発を競うのではなく、これら競合企業に先んじて革新的なテーマを継続的に創出し、取り組むことが極めて重要になってきています。
革新的テーマ創出において、多くの企業の方々が関心を持たれているのが、自社が保有する技術をベースとしたテーマの創出です。しかしながら、自社の技術をベースとしたテーマ創出には、市場が特定されていないため、市場ニーズや用途の探索ができず、筋の良いテーマを見つけることが難しいという、基本的な問題を抱えています。この問題を払拭し、自社保有技術に基づきテーマを創出するには、自社が保有する技術で何ができるか? (すなわち『機能』) に展開し、そこで発想を広げ (『頭を耕す』と呼んでいます) 、その広げられた発想に基づき製品アイデアを創出する方法が有効です。それが、要素技術機能展開法です。
- 要素技術機能展開法を使ったテーマ創出とは?
- 自社技術を活用しての製品アイデア創出ニーズの存在
- 既存技術を他用途に展開した例:
グーテンベルクの活版印刷機 (葡萄絞り機技術の利用)
- 自社技術の用途を探すことの難しさ
- 自社技術で実現できる機能を明らかにする
- 機能の役割:技術から製品アイデアへの橋渡し
- 技術から製品アイデアを創出する背景の理論:『隣接可能性』 (生物の進化のアナロジー)
- . 要素技術機能展開法の全体のプロセス
- . ステップ0:目的の共有
- なぜ目的の共有が必要か?
- メンバーのエネルギーレベルを高める
- 目的の共有の方法
- . ステップ1:コア技術の設定
- コア技術戦略とは
- どのような技術をコア技術とするのか?
- コア技術設定の企業事例
– 3M/クレハ/富士フイルム/東レ
- コア技術戦略と「自社保有技術から発想するテーマ創出法」の関係
- コア技術戦略は技術戦略の根幹
- 構成タスク
- コア技術の選定の考え方
– 選定軸
– 過度に分析的に考えない
- タスク1:要素技術の棚卸
– 技術体系事例
– 要素技術棚卸のワークシート
– 作業上の3つの注意点
- タスク2:コア候補技術へのグループ化
– グループ化の視点
– 適当な名称の設定
– 未来志向で設定する
– 要素技術の重複についての考え方
- タスク3:コア技術の評価・選択
– 評価法
– 評価は現状認識に基づく想定
- コア技術戦略のもう一つの重要な意味
-積極的に外部技術を活用する
- . ステップ2:機能展開の対象コア技術の選定
- . ステップ3:コア技術の機能への展開
- 機能展開のフレームワーク
– 対象、手段、機能・効果・生成物の1つの組合を作成
– その後ツリー状に展開
- 機能をツリー状に展開する考え方
– MECE (もれなく、だぶりなく)
-分割-統合-並列
- 様々な切り口への対応
- 妄想する
- 『頭を耕し』、製品アイデアを創出し易くする
- 要素技術の機能展開のためのワークシート
- 要素技術機能展開図の作成時の注意点
– 完璧な図は求めない (あくまでも『頭を耕す』こと)
- ステップ4:製品アイデア創出
- 構成タスク
- 良い製品アイデアとはの共有
- 顧客提供価値の重視
- 顧客提供価値拡大モデル: VACES
– B2BモデルとB2Cモデル
– 全体を通じての顧客価値拡大モデルの視点の重要性
– VACESの各要素の説明
- Value (日本触媒、3Mの例等)
- Anxiety (日本テトラパック、シマノの例等)
- Cost (東洋電機の例等)
- Empowerment (コマツ、ボーイングの例等)
- Society (景観配慮型アンテナ等)
– B2Cモデルの注意点
- スポーツカーの本質ニーズは何か?
- 消費者の能力向上の例
- 消費者の社会的価値向上の例 等
-「研究所は人間の気持ちを研究するところであって、技術を研究するところではない」本田宗一郎
- タスク1:発想
-ブレーンストーミングを効果的に行うには
-アイデア発想ミーティングの効果的運営法
- タスク2:進化・集約
- タスク3:『評価・選択』
-評価の2つの軸
-市場魅力度>自社適合度
-進め方の手順
- タスク4:まとめ
-対象市場
-顧客提供価値
-既存製品との差別化点
-自社利用技術
-既存製品との差別化点
-その他製品特徴等
- 演習:技術の機能への展開と製品アイデア創出
- プロジェクトを効果的に進めるためのヒント
- 最後に