第1部 ポリイミドの分子設計と材料設計:新規機能発現と応用展開
(2015年3月24日 10:00〜11:20)
ポリイミドは代表的な耐熱性高分子である。その特徴の一つは分子設計と材料設計の自由度が非常に大きいことにある。これによって、耐熱性や力学特性という基本的な性能の上に、用途に応じた機能を付与することができる。本講座では、ポリイミドの基礎から応用展開まで、例を挙げて分子設計・材料設計のポイントを開設する。
- ポリイミドとは
- 歴史
- 分類
- ポリイミドの合成とフィルム作製
- ポリイミドの合成法
- ポリイミドフィルムの作製法
- ポリイミドの基本物性
- 耐熱性
- 力学特性
- その他の性質
- ポリイミドの分子設計と材料設計
- 非熱可塑性ポリイミド
- 熱可塑性ポリイミド
- 可溶性ポリイミド
- 熱硬化性ポリイミド
- ポリイミド微粒子
- ポリイミド繊維
- ポリイミドの複合化
- ポリイミド系アロイ、分子複合材料
- 有機化クレイによる複合化
- ゾル―ゲル反応による複合化
- その他の複合化
第2部 分散性向上の為のフィラーの表面処理技術
(2015年3月24日 11:35〜12:55)
- フィラーの種類と製造法およびその特徴
- 結晶構造
- α石英
- 溶融シリカ
- その他
- 形状
- 破砕型
- 球状型
- 大きさと分布
- 表面処理剤の無機質への作用機構
- 反応式
- 結合モデル
- 表面処理剤の使用法
- 処理剤の特徴と選択法
- シラン系カップリング剤
- その他のカップリング剤
- チタネート系
- シルコアルミネート系
- フッ素系
- その他
- 処理剤の添加量
- 処理方法
- 処理剤の調整
- フィラーへの直接処理法
- インテグラルブレンド法
- 表面改質による高機能化と今後の課題
第3部 多分岐ポリイミド-シリカハイブリッドの合成と特性
(2015年3月24日 13:35〜14:55)
多分岐ポリイミドは、樹木状構造をもつ高機能高分子として直鎖状高分子に無い多様な特性、機能をもつことから近年その開発が注目されている。すなわち、特異な分子形状に起因して分子内に多数の空孔を持ち、多くの溶媒に対して溶解性が良く、その溶液は低粘度で、一分子内に多くの末端基を持ち、表面、内部骨格やコアに機能性基を導入することで多機能高分子となる。また、シリカとのハイブリッド化は直鎖ポイイミドにない分散性とナノ構造を示し、無機特性を付与した特徴ある材料が創製でき、新規ポリイミド材料としてその応用が期待される。ここでは多分岐ポリイミドおよびそのハイブリッドの合成、特性と応用についてわかりやすく解説する。
- 多分岐ポリイミドとは
- 直鎖ポリマー/多分岐 (ハイパーブランチ) ポリマー/デンドリマー
- 多分岐ポリイミドの合成法
- AB2型モノマーによる重合
- A2型+B3型モノマーによる重合
- ポリイミドの複合化 (ナノコンポジット、ナノハイブリッド)
- ポリイミドの複合化技術
- 層間挿入法 (層剥離法) によるポリイミドの複合化
- ゾル-ゲル法によるポリイミドの複合化
- 微粒子分散法によるポリイミドの複合化
- シリカ複合化の効果
- ポリイミド系複合材料の特性と応用
- 多分岐ポリイミド-シリカハイブリッド (HBPI-SiO2HBD)
- ゾル-ゲル法によるHBPI-SiO2HBDの合成と特性
- シリカ微粒子 (シリカゾル) によるHBPI-SiO2HBDの合成と特性
- ナノポーラスポリイミドの合成と特性
- HBPI-SiO2HBDの電子材料への応用
- HBPI-SiO2HBDの気体分離膜への応用
第4部 超低CTEポリイミド/ウエットめっき法による回路形成の利点
(2015年3月24日 15:10〜16:30)
線膨張係数 (CTE) がSiと同じポリイミドフィルム/ウエットめっき法により回路形成が可能なポリイミドフィルムについて解説いたします。
- ポリイミド-シリカハイブリッドの形成
- ポリイミドの利点と問題点/ポリイミド―シリカハイブリッドの特長
- CTEの制御と超低CTEポリイミドフィルム
- パワー系への用途展開
- 直接ウエットめっき法による極薄Cu付きFCCL
- ウエットめっき密着のメカニズム
- 先穴めっき方式によりIVHプロセス不要の両面FCCL