本セミナーでは、量子ドットならではの応用技術、CdSeコロイダル量子ドットを例にその合成技術、カドミウムフリー量子ドット蛍光体の設計および合成、量子ドットを用いた各種発光素子技術、太陽電池など発光材料以外の新しい用途などについて、講演者らの成果を中心に世界の最新動向をわかりやすく解説いたします。
コロイダル半導体量子ドットは、量子閉じ込め効果を起源とするバルク半導体にはないユニークな特性のため、各種の光および光電子デバイスへの応用が期待されている。サイズにより発光波長を任意に制御できるという性質を利用した波長変換材料 (蛍光体) は、液晶ディスプレーのバックライト用LED青色光の波長変換素子として、ごく最近上市されている。量子ドットへの電流注入による発光素子も近年ではその効率が向上し、OLEDと競争できるレベルに達している。一方、量子ドットのマルチエキシトン生成や量子準位を用いた中間バンドによる、太陽電池素子の超高効率化も検討されている。 本講演では、量子ドットならではの応用技術、CdSeコロイダル量子ドットを例にその合成技術、カドミウムフリー量子ドット蛍光体の設計および合成、量子ドットを用いた各種発光素子技術、太陽電池など発光材料以外の新しい用途などについて、講演者らの成果を中心に世界の最新動向をわかりやすく解説する。特にI-III-VI2およびIII-V化合物半導体量子ドットの合成技術に関して、量産プロセスへの展開を視野に入れた安全性の高い方法を紹介する。コロイダル量子ドットの開発にこれから従事する方から、数年程度の経験のある方を対象として、コロイダル量子ドットの特性、合成法、応用展開に向けた材料設計指針などの習得を目指す。