~とある会議室にて~
『2020年の東京オリンピックに関連付けた企画を検討中なのですが、どこまでだったら、選手の写真や略歴・記録等を使用しても大丈夫ですか?』『“がんばれ、オリンピック選手!“という標語を使用するのは問題でしょうか?また、それはなぜでしょうか?』
今日、エンターテインメント分野に限らず、あらゆるビジネスにおいて無視できない存在となっている「著作権法」。確かに、コンテンツのデジタル化やインターネット・モバイル端末の普及などによって、「著作権法」はより私たちの身近な存在になっています。ウェブサイト上の分かりやすいQ&Aから実務家向けの解説書・講演等の高度なものまで、それらの充実ぶりには目を見張るものがあります。
他方で、「著作権法」がカバーしていない法領域における法的リスクについても、ビジネスが完全にストップしてしまう差止請求や損害賠償請求のリスクがあり得る以上、著作権法と同様の配慮が必要であることは否定できず、大小様々なケースの相談も後を絶ちません。
しかしながら、「商標」、「肖像・プライバシー・パブリシティ」、「不正競争」、「不法行為」など、著作権と同様にコンテンツビジネスと密接に関係するものでありながら、あまり日常的に見聞きすることの少ないこれらの法領域について、競争法なども背景としたその法原理や、ビジネスの企画・実施段階において気をつけるべき「勘所」などが、体系的・網羅的に解説される機会は少ないのではないでしょうか。
また、めまぐるしいビジネス環境の変化にさらされている著作権に関する法律・判例・実務についてフォローするだけでも手いっぱいの中で、さらに、その周辺の法領域について理解を深めることは、なかなか困難なのではないでしょうか。
そこで本講演では、業界・市場動向等を踏まえ、特にご要望の多い不正競争防止法についての項目を増やしつつ、著作権法の陰に隠れがちな法領域についての解説を重点的に行います。また、これにとどまらず、日々の業務や弁護士等との相談の際に活かしていただけるよう、実際の相談事例や裁判例などを用いた実務における検討方法・勘所などの解説を行います。